□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年10月4日第741号 ■ ============================================================== 丹羽駐中国大使は任期延長ではなく再任すべきである ============================================================== この重要な時に、いつまでたっても中国大使が決まらない。 そう思っていたら丹羽駐中国大使の任期を11月まで延長するという。 きょう10月4日の各紙が報じていた。 9月16日に急死した西宮伸一新中国大使の後任人事が未定であるから だという。 空白期間を置いてはいけないから延期するという。 この中国大使の人事に関し、私は西宮大使が急死した9月16日のメル マガで書いた(新しいメルマガ購読者の為に末尾に貼り付けておく)。 野田首相はいまこそ三顧の礼をもって丹羽大使に続投を懇請すべきで あると。 いまこそその時書いた私の提言を野田首相は実行すべきである。 ただでさえ人材不足の外務省にあって、今の日中関係に対応できる有能 な外務官僚はいない。 石原東京都知事の尖閣購入は日中関係に悪影響を及ぼすと誰よりも早く 発信した丹羽大使こそ、この難しい局面における大使にふさわしいのだ。 だから丹羽大使の任期を一か月余り延長するなどという中途半端な事を するのではなく、少なくとも野田政権が続く限りは続投させるのだ。 日中関係の改善のめどがつくまで丹羽大使に日本を代表させるのだ。 丹羽大使は、もうお役御免にしてほしいと思っているかもしれないが ここは最後の奉公をするときなのである。 それにしても私が不思議に思うのはなぜ後任人事がいつまでも決まら ないのかという事だ。 すでに宮本雄二前駐中国大使とか薮中三十二前事務次官の名前が 取りざたされて久しい。 外務省が民間人から中国大使のポストを取り戻したいのは当然だ。 宮本氏や薮中氏に、乞われて現職に復帰できるチャンスを断るほど の良識があるとは思えない。喜んで食いついたはずだ。 それとも、外務官僚ではこの難局を乗り切れないから、下馬評と違って 野田首相は最初から再び政治任命を考えているのだろうか。 そうだとすればもはや外務官僚は見くびられたということだ。 あるいは宮本氏や薮中氏がこの時期に中国大使になることは渦中の栗を 拾うような貧乏くじだと思って辞退したというのか。 それならそれで情けない奴らだ。 いずれにしても中国大使の人事ひとつ、すぐに決められないところに 野田政権の救い難さがある。 了 □■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年9月16日第695号 ■ ============================================================== 野田首相は今こそ丹羽大使の続投を三顧の礼で懇請すべきである ============================================================== 西宮新駐中国大使の訃報をテレビで知って緊急にこのメルマガを書い ている。 このニュースは外務省にとっても、日本政府にとっても衝撃的である に違いない。 日中関係がここまで危機的になっているときだ。 大使を一新して新しい対中外交を始めようとした矢先だ。 しかしその衝撃を乗り越えて野田首相は正しい判断をしなくては ならない。 私はかつてアフリカ課長を拝命した1980年代の半ば、管轄地域の 旧英国領アフリカ諸国を回って当時駐ザンビア国の特命全権大使で あった西宮大使とはじめて知り合った。 西宮新駐中国大使はその子息だ。 父親ゆずりの人柄のよさもあり、父親以上の出世を果たして新しい 日中関係の打開に外交官人生のすべてをかける意気込みだったに違いない。 その矢先の不幸である。 さぞかし無念だったに違いない。 こころより冥福を祈らずにはいられない。 合掌 しかし今の日中関係はその不幸を乗り越えなければならない。 その不幸を無にしないためにも、私は野田首相に直言したい。 いまこそ野田首相は丹羽宇一郎前駐中国大使のもとを訪れ、三顧の 礼をもって、再び駐中国大使の職責に戻ることを懇請すべきである。 「石原東京都知事の尖閣購入を許せば日中関係に重大な危機をもた らすことになる」といち早く警告を発したのは丹羽大使だった。 その発言の責任をとって辞任に追い込まれた丹羽大使であったが、 いままさにその警告が正しかったことが証明された。 丹羽大使はその発言の故に中国国民からも好意的に受け止められた。 今の危機的な日中関係を打開する最善の道は、丹羽大使を再度中国 大使に任命して日中関係の打開を託すのである。 それは決して丹羽大使を通じて中国に妥協する事ではない。 その逆である。 尖閣問題を日中間のもっとも困難な問題である事を認識していた 丹羽大使に対し、尖閣問題についての日中双方の立場を尊重した上で、 もっと大きな日中間の利益に向けて、本当の意味での互恵関係構築の 対中外交を委ねるのである。 それは丹羽大使にすべてを丸投げすることではない。 丹羽大使の外交を全面的に支える野田首相の外交が不可欠である。 つまり丹羽大使と一体となって野田首相自らが日中関係の修復に 政治生命を賭けるということである。 丹羽大使はそこまで覚悟した野田首相の懇請を断ることは出来ない だろう。 丹羽大使としてもこのまま駐中国大使を去ることは心残りに違いない。 丹羽大使もまた残りの人生のすべてをかけて目の前の日中関係打開に 最後のご奉公をすることに異存はないはずだ。 野田首相よ、このメッセージが届いたら、躊躇する事なく決断すべきで ある。 丹羽大使に三顧の礼をもって再び駐中国大使を懇請せよ。 対中外交に全力を傾けよ。 民主党代表選挙などにうつつを抜かしているときではない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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