□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年10月4日第740号 ■ ============================================================== 新聞没収という中国の暴挙に抗議しないメディアの腰砕け ============================================================== 中国の税関当局が日本から送付された新聞を没収したと報じられたのは 9月末だった。 尖閣国有化に対抗する中国政府の数々の強硬措置は目に余るものがある がこの新聞没収はその中でももっとも容認できない暴挙に違いない。 言論統制であり民主主義の原則に反するものだ。 その多くは中国駐在の邦人が購読しているのであるだろうから邦人の 財産権の侵害でもある。 領土紛争を軍事的に解決しようとする言動はいかなる意味でも認められ ないが、政治的、外交的にはいくら強くでてもいい。 いや日本はもっと毅然とすべきである。 とくに今回の新聞没収についてはいくら強く抗議しても抗議しすぎる ことはない。 ところが日本側の反応は鈍い。 そう思っていたらきょう10月4日の各紙が一段の小さな記事で報じた。 玄葉外相は3日の記者会見で日本から配送された日本の新聞や雑誌を 中国税関が没収したことについて、取りやめを求める考えを示したと。 驚いた。没収されたのは新聞だけではなく雑誌も含まれていたのだ。 いまでも没収されたままなのだ。 そして私は驚いた。外務省はまだ抗議していなかったということだ。 これから中国側に差し押さえを止めてくれと要求するというのだ。 それにしても私が不思議に思うのは日本のメディアが何の文句も中国側 に言わないことだ。 メディアこそ中国政府に強く抗議しなければならない。 これはメディアの存在にかかる重大な報道規制であるからだ。 日本政府が中国政府に抗議すれば非難の応酬になるが、民間の、しかも 言論の自由という世界に普遍的な価値を掲げる報道機関が抗議するのなら、 いくら強く抗議をしても中国はそれを非難できない。 日本のメディアは共同して中国政府に抗議すべきなのである。 ところがまったくその動きがない。 なにかにつけ対中融和的な朝日新聞が抗議しようとしないことはわかる。 しかし日頃中国に厳しい姿勢を取っている産経新聞でさえも抗議をした 形跡はない。 要するにこの国のメディアは腰砕けなのだ。 中国が怒り、駐在記者を追放するようなことになれば不利になる。 そう考えて中国をまともに非難しようとしないのであれば、日本の メディアこそ情けないということである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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