□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年10月3日第738号 ■ ============================================================== 発覚したF35次期戦闘機購入のもう一つの不都合 ============================================================== 昨年末にあわてて購入を決めた次期戦闘機F35の問題は、その後開発 の遅れで導入が間に合わず、おまけに予算が膨れあがってとんだ無駄遣い に終わる可能性がわかったのは、もうだいぶ前のことだ。 私は防衛装備の専門家ではないが、このF35次期戦闘機の購入問題に ついては強い関心を持ってこのメルマガでも何度も書いてきた。 巨額な税金を投入して購入する武器調達については、それが十分国民に よって監視されなければならないからだ 武器調達は防衛省が一手に引き受けており監視の目が届かないからだ。 何よりもそれが対米従属外交から切り離せない不都合に満ち満ちている からだ。 そんなF35の購入についてまた一つあらたな不都合が明るみになった。 きょう10月3日の産経新聞がスクープしていた。 すなわち13年度の概算要求で購入される予定のF35の最初の4機が 防衛相の要求を満たさないものになりそうだという。 そのことが米国防総省の複数の資料で裏付けられたというのだ。 その理由はこうだ。 次期戦闘機のF35には短距離空対空ミサイルなどを装備できるF型と それができないI型の二種類あるという。 日本政府はもちろんF型の購入を想定し、今年7月の国会答弁(質問 主意書に対する政府解答)でも「防衛省の要求する性能を備えた機体が 納入される」とはっきりと答えていたという。 ところが米ロッキード・マーチン社のF35開発が遅れることにともな ってF型の納入は米軍に納入することさえ2017年8月にずれ込む という。 そして米軍の規定によれば米軍より前にF型が日本に引き渡されること はありえない事ことがわかったというのだ。 それにもかかわらず日本はすでに2013年度予算から購入し始める。 ということは最初の4機は政府が国会で約束した性能の高いF型では なく、より劣るI型になるということだ。 これはF35次期戦闘機購入をめぐる不都合の中でも、もっとも深刻な 不都合ではないか。 ただでさえ一機100億円もの高額な次期戦闘機が米国の開発の遅れ でさらに値上げさせられようとしている。 おまけに最初の4機は、想定した機種ではなく劣ったものだという。 どこまで税金が米国に消えていくのか。 こんなことが国会で取り上げられずに進んでいくのなら増税などは言語 道断だ。 森本防衛大臣はオスプレイの導入ばかりに忙殺されているのではなく 我が国の国防がこのような戦闘機でよく守られるのか、本来の国防につい て専念すべきだ。 それにしてもこのようなスクープ記事を見るとわくわくする。 このスクープ記事こそメディアの真骨頂である。 産経新聞に拍手を送りたい。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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