□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年9月30日第729号 ■ ============================================================== オスプレイを絶賛する高畑昭男という産経新聞論説副委員長に思う ============================================================== まともな日本人ならオスプレイの配備をここまで歓迎しないだろう。 沖縄住民の気持ちを考えるまともな日本国民ならここまで歓迎できる はずがない。 日米同盟を重視する者でさえ、オスプレイを押しつけられることは迷惑 な話だが、米国の抑止力は必要だから仕方がないと言って受け入れるのが 本音だろう。 ところがオスプレイを絶賛し、その配備をもろ手をあげて推奨する日本 人を見つけた。 しかもその日本人は真実を国民に知らせる使命を担うメディアの幹部で ある。 その日本人こそ産経新聞論説副委員長という肩書を持つ高畑昭男という 記者である。 きょう9月30日の産経新聞「明日へのフォーカス」と題する論説で 高畑氏はこう書いている。 まず防衛省が先日行ったオスプレイの体験試乗に参加した事を紹介した 上でその時の印象を交え、オスプレイの機能が如何にすぐれているかを長々 と述べる。 その後で、米政府が説明し、それを森本防衛相がおうむ返しに国民に繰り 返すおきまりのセリフを次のように書き連ねる。 すなわち米海兵隊の抑止機能が格段に向上し、日本の安全保障にこそ大切 なものであると。 中国がオスプレイ導入に反発したのもその威力を恐れたからだと。 そして体験搭乗で出会った米軍関係者の次のような言葉を紹介し、日本の 過剰な安全論議は米軍関係者をも当惑させていると書く。 「すでに世界中で使われており、安全性に疑問を感じたことはない。日本 に来て初めて安全論争の存在を知った」、と。 いくらなんでもこれはおかしい。 モロッコやカロライナで起きた事故は嘘だと言うのか。 米国住民の反対で米軍が米国内の試運転を中止したという報道は誤報だと でも言うのか。 初めて安全論争を知ったと米軍関係者が言うのなら、なぜ日米の軍事関係 者がその安全性について何度も合同で検証・協議を続けているのか。 そして高畑氏は最後にこう締めくくる。 米海兵隊の手足を縛っておいて「助けてくれ」では筋が通らないだろうと。 東日本大震災前に導入されていたらより多くの国民の生命や財産を救えたと。 オスプレイの「安全」に固執するあまり日米の心の絆が損なわれては大変だと。 およそ考えられるありとあらゆるオスプレイ擁護論を並べ立てた論説だ。 これでは産経新聞はメディアではないことになる。 米軍とそれに従属する防衛省の機関紙だということになる。 「赤旗」が日本共産党の機関紙だという理由で記者会見から排除されたのだか ら産経新聞も記者会見から排除されなくてはならなくなる。 高畑昭男氏はジャーナリストではなく米海兵隊とそれに従属する防衛省の広報 担当官だ。 そう思っていたら同じ産経紙上の書評欄で再び高畑昭男氏の名前を見つけた。 坂元一哉大阪大学教授の最近著である「日米同盟の難問」(PHP研究所)の 書評を書いていた。 その書評の結論はこうだ。 「あとがきにある『日米永久同盟論』には、著者の熱い思いが味わい深く記され、 ここだけでも引き込まれる・・・」 きっと高畑氏はあとがきだけを読んでこの書評を書いたのだ。日米同盟は永久だ という言葉だけで感激してこの書評を書いたのだ。 やはり高畑氏はジャーナリストではない。米海兵隊とそれに従属する自衛隊の 広報担当官だ。 産経新聞は米国と防衛省の機関紙である。 了 お知らせ 以下の通り天木直人VS田母神俊雄 特別討論会が開かれますので案内します 尖閣問題が日本外交を揺さぶっているおりから単身で右翼論陣の中に乗り込ん で自説を展開じてきます。 10月6日(土) 午後1時半ー4時半(開演1時) 場所 文京区民センター3階(後楽園下車) 3-A会議室 問い合わせ 士気の会 千田(せんだ) 090-3450-1951 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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