□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年9月27日第720号 ■ ============================================================== 10年たっても何も進展しなかった拉致問題 ============================================================== 横田夫妻やそのほかの拉致被害者家族には言葉もないほど残酷なこと であるが10年たっても拉致問題は何の進展も望めなかったようだ。 9月25日の朝日新聞が拉致問題に関する日朝協議の再開は9月中は 困難になったという記事を書いていた。 玄葉外相は10年目にあたる9月17日までには交渉を始めたいと 言っていたはずだ。 その言葉の軽さをあらためて思い知らされる。 本気で拉致問題を動かそうと思えば、金正日総書記の元料理人であった 藤本料理人をパイプ役にして首脳間の極意交渉を行なうぐらいの覚悟を しないとダメだと私は繰り返し書いてきた。 しかし、官僚の頭ごなしにそれは出来ない、と言って野田首相がそれを しなかった事を知った時点で、私はこれではダメだと思っていた。 そして9月25日の朝日の記事だ。 しかし私が朝日の記事で驚いたのは「月内協議が困難になった」という 事だけではない。 困難になったというその理由だ。 朝日はこう書いている。 「協議を担当するのは外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長だが、24日、 国連総会に出席する玄葉光一郎外相とともにニューヨークへ発った・・・ 帰国は29日になる・・・」 つまり一官僚の都合で月内の協議は困難だと言っているのだ。 拉致問題という日本外交の最重要の交渉が一官僚の都合で左右されると いうのである。 本末転倒も甚だしい。 百歩譲って杉山晋輔という官僚が余人を持って変えがたい交渉者であれば 話は別だ。 しかし彼は拉致問題の専門家でもなんでもない2年ごとに交替するアジア 大洋州担当の局長でしかない。 代わりの局長はいくらでもいる。 拉致問題担当の大使もいるはずだ。 その気になればいつでも交渉できる体制にある。 拉致問題を官僚任せにする野田首相も野田首相だが、こんな記事を平気で 掲載する朝日も朝日だ。 誰も本気で拉致問題に取り組んでいないということである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加