□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　　天木直人のメールマガジン２０１２年９月２８日第７２１号
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　　立ち消えになった森元総理のロシア特使

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　尖閣問題ばかりが大騒ぎになっていたが少し前までは北方領土問題が
大騒ぎされていた。

　そして北方領土問題といえばプーチン大統領と親交の深いと言われる
森喜朗元首相を特使として派遣して打開を図ろうという話がまことしや
かに喧伝された。

　しかしそれがいつまでたっても実現しない。

　一体北方領土問題はいまどうなっているのか。

　そもそも北方領土問題は森元首相を派遣してプーチン大統領と話し合
えば進展するものなのか。

　この疑問に見事に答えてくれた記事を見つけた。

　きのう発売された週刊文春１０月４日号で飯島勲元小泉首相秘書官が
書いている。

　「シンキロウと化した森元首相のロシア特使」と題して、あんな話は
はじめから何の根拠もない野田首相の一人相撲であったのだと。

　飯島氏は言う。

　森元首相はイルクーツクでの日露首脳会談などを通じてプーチン
大統領と親交を深めたと言われているがそれは本当か、と。

　それだったら何故プーチン大統領は今年５月の大統領就任式に森元首相
を招待しなかったのか、と。

　そして飯島氏は言う。

　野田首相は今年６月のメキシコでのＧ２０サミットでプーチン大統領
と初顔合わせをした。野田・プーチンの首脳同士の関係が出来たのだか
らあとは首脳同士で交渉を進めればいいだけであるのに、なぜそれを進
めないのか。なぜ森元首相の力を借りなければいけないのか、と。

　新党大地の鈴木宗男は森特使の話を持ち出し、野田首相も一日もはや
く特使の派遣を実現したいと言う。

　森元首相も党派を超えて国益のために一肌脱ぐと張り切っている。

　そして７月に玄葉外相は夏休みをとっていたプーチン大統領をわざわざ
黒海沿岸の保養地にまで押しかけて森特使を受け入れて欲しいと頭を下げ
ている。

　ここまでやっているのに何故いつまでたっても森元首相のロシア訪問
が実現しないのか。

　その答えを飯島氏は次のように語る。

　そもそもロシア側は政界を引退して先がない元首相などと領土交渉
なんかやる気はゼロだと。

　外務官僚もわかっているのに口にチャックをして言わないのだと。

　早稲田大学の先輩に当たる森元首相は、野田首相の最大の擁護者だ。
消費税増税法案などで自民党はさっさと野田首相に協力しろと言ってみたり、
最後は谷垣総裁の自民党総裁選を降ろさせたりと野田首相にとって役に立
つ存在だ。

　だからメドもないのに北方領土交渉はあなたの助けが必要だとおだて
あげて利用しているのだと。

　森元首相も、特使としておだて挙げられれば、たとえ訪ロが実現しなく
ても、存在感が示すことが出来ただけで損はないのだろうと。

　そして飯島氏はこう締めくくっている。

　「日本外交と国民をこんなに小馬鹿にした話はない。溜息がでる」と。

　日本外交と国民を馬鹿にした元祖は小泉首相だ。

　そんな小泉首相の外交の振り付け役だった飯島氏にそのような事を言う
資格は無い。

　しかしこの指摘だけは正しい。

　日本の外交とそれを報じるメディアはデタラメばかりだということだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了


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　お知らせ

　都合により休んでいた天木・植草対談を以下の通り９月２９日(土）から
再開します。

　読者の皆さんには以下の通り案内しますのでご期待下さい。


　●サタデーナイトライブ2012　天木×植草の時事対談
http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/

　今回の時事対談では、政治・国際情勢・経済分野それぞれのホット
ニュースについて時間の許す限り徹底的に討論を行います。

《政治》
・民主党代表選、自民党総裁選の結果を踏まえた今後の政局
・三党合意のゆくえと総選挙時期の見通し
・橋下維新の会、小沢一郎氏など新たな勢力の動き

《国際情勢》
・尖閣、竹島、北方領土をめぐる外交政策
・米軍が配備を進めるオスプレイについて
・混迷を極めるシリアを中心とした中東情勢

《経済》
・米国の大統領選と選挙後の経済政策
・終わらない欧州金融危機への対応
・植草一秀氏新著「消費税増税 「乱」は終わらない」の解説


視聴者の皆さまからの質問を募集します。当日、対談の中で取り上げ
てもらいたいテーマなどありましたらアンケートにご記載ください。

二人への質問は ⇒ http://enq-maker.com/cx5BJt0


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