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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

自民党総裁選の候補者たちに尖閣問題の対応策を教えよう
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年9月25日第716号 ■   ==============================================================    自民党総裁選の候補者たちに尖閣問題の対応策を教えよう  ==============================================================  先覚問題についての中国の攻勢はとどまるところを知らないようだ。  これ対して日本はどう対応すべきか。  こうすればいいのだ。  最初に言いたい事は、野田民主党政権が続く限り問題は解決しないと いうことだ。  中国は野田政権を当初から評価していなかった。  ただでさえ枝野や前原という中国敵視発言を繰り返する軽量級の政治 家がいる野田政権である。  おまけに野田政権は死に体である。  そんな政権とまともに交渉する気は中国にはない。  中国が相手にするのは自民党主導の政権が復活した時だ。  それは中国が自民党政権を歓迎しているのではない。  それどころか中国は自民党政権の対中政策を警戒している。  だからこそその自民党中心の政権が出来た時、本気で臨もうとする のだ。  良くも悪くも中国は日本の自民党政権を相手に外交をやってきた。  中国にとっての日本政権は自民党政権なのだ。  いまの中国の強圧的な態度は、将来の日本に再び自民党主導の政権が 復活することを睨んだメッセージを、野田民主党政権をダミーとして 送っているのである。  どのようなメッセージであるか。  ここからがこのメルマガのポイントである。  それはずばり尖閣問題の棚上げだ。  中国は野田政権に対して国有化撤回を求めているが、中国は日本が 国有化を撤回するとは思っていない。  これは落としどころを考えた脅しだ。  落としどころとは何か。それは日本が実効支配を行なう事を凍結する ことだ。  そしてもし自民党中心の政権がそれでも実効支配を進めようとすれば 中国は自衛隊と人民解放軍の部分的交戦までも覚悟しているに違いない。  中国は、日米安保体制の下でも、小規模な武力衝突なら米軍は介入し ないと見ている。軍事的衝突が起きれば直ちに米国政府が仲裁に入ると 見ている。  あるいはそのシナリオさえ出来ているのかもしれない。  このような中国に対し自民党政権はどう対応すればいいか。  それは石破や石原や安倍が政権をとった時点で、対中強硬政策を封印し、 中国との互恵的戦略関係を打ち出すのだ。  尖閣諸島の領有権も国有化も譲らないが、中国と日本の友好関係は重要 だから譲歩する、すなわち尖閣諸島を実効支配することを中国と競い合う のでなく、適正な管理について話し合おうと呼びかけるのだ。  「政権をとったとたん豹変した」、と右翼的国民は反発するだろう。  しかし大半の国民は中国との軍事的衝突など望んでいない。  中国との軍事衝突は、たとえ部分的にせよ決して起こしてはならない。  右翼的国民を抑えるのは右翼的政権の仕事だ。  タカ派の強力な政権が出来た時こそ中国は真剣に身構える。  日本との軍事的衝突を回避したいのは中国も同じだ。  石破や石原や安倍が総裁選でいくら強硬な対中政策を訴えてもいい。  野党でいる限り好きな事を言えばいい。  そうして中国を警戒させるのだ。  しかし政権をとれば一転して戦略的互恵関係に豹変するのだ。  中国はこれを歓迎するだろう。  これが外交と言うものだ。  私がここまで書いてきたことは私のオリジナルな考えではない。  きょう9月25日の読売新聞「論点」で法政大学非常勤講師を務める 小谷哲男(38)氏が述べている事を参考にした考えだ。  読者の皆さんには一読をお勧めする。                             了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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