□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年9月25日第715号 ■ ============================================================== 政治家に与えられた特権を国民のために活用しない政治家たち ============================================================== 国民の政治家に対する信頼がここまで失われたことはないと思える ほど異常な政治状況になっている。 その責任はやはり政治家たちにある。 政治家に与えられた数々の特権は、もちろん国民や住民の生活向上の ためにある。 そんな特権は、正しく使えば大きな威力を発揮する。 しかし、それが活用されていないのだ。 その好例を最近の報道で見つけたので紹介したい。 一つは東京都議会議員の例だ。 9月18日の東京新聞が都内版のローカル記事として書いていた。 すなわち19日に閉会した東京都議会は例の尖閣問題や原発問題など について論戦が戦わされたという。 それを傍聴席で間近に見ようとする熱心な東京都民がいる。 しかし傍聴席310座席のうち一般希望者に割り当てられる座席は 188座席で、当日先着順で割り当てられる。 その一方で都議会議員には124人分の座席が割り当てられている。 議員だけでなく事務所スタッフや後援会のための利用が想定されて いるからだ。 問題は都議会議員に割り当てられた座席の使用率だ。過去一年の利用 率はわずか27%に過ぎないという。 その一方で一般傍聴者の傍聴席はすべて埋まり、議場に入れなかった 人たちはやむなくロビーなどのモニターで審議を見守るしかなかった。 それでいて都議会議員用の座席割り当て特権が見直される動きはない。 もう一つの記事は、9月9日の日経新聞に掲載された「政界回り舞台」 という記事だ。 その記事は、私も知らなかったのだが、国会図書館には国会議員しか 入れない部屋があると教えてくれている。 それは本来ならば国会議員が国会質問などのために国会図書館にある 書籍や資料を学ぶために特別に割り当てられた部屋に違いない。 しかし、その部屋が国会議員たちが人目に触れずに密会する場所に使 われてきたという。 最近の例では、民主党代表選で細野豪志環境相の擁立に動いた若手の 政治家たちがそこで細野氏と会合を持ったという。 その日経の記事は次のように締めくくっている。 「国会図書館は国会議員の政策立案を手助けするのが大きな役割だ。 政権交代後の2010年度は議員に資料を提供した件数や議員専用の 閲覧室・研究室の利用が減った。政局の季節が一段落したら、本来の 目的で利用する議員は増えるのであろうか」 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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