□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年9月21日第678号 ■ ============================================================== 野田民主党政権の継続は自民党政権の復活よりもたちが悪い ============================================================== 野田民主党政権についてもう一つだけどうしても書いておきたい事が ある。 今度の民主党代表選挙と自民党総裁選挙のいわゆるダブル選挙を比較 する記事の中で、それでもまだ民主党代表選の候補者の主張のほうが より国民の目線に近いという記事がある。 たとえば9月21日の東京新聞はこう書いている。 民主党候補の四人はいずれも原発反対デモの参加者に理解を示すコメ ントをしているが自民党の五人はいずれも冷淡だ、と。 この事は外交・安保により顕著だ。 自民党候補者はいずれも集団的自衛権や改憲について前向きであり、 この事は橋下維新の会の保守・反動政策と相俟って、自民党政権が復活 すれば危うい、それに対し民主党はまだましだ、などと書く。 それは一見もっとものように見える。 しかし私はそうは思わない。 なぜか。 一つはいかなる保守、反動政権であっても、政権をとれば国民の声を 無視はできないからだ。 二つには保守、反動政権になればなるほど国民の警戒感、違和感が強 まり、それが抑止力になるからだ。 私が民主党政権に裏切られたと思う最大の理由は、菅政権から始まって 野田政権で徹底された外交・安保政策が、反自民党政権によって政権交代 を成し遂げた民主党政権だから、それでも自民党時代よりはマシだろうと 思わせておいて、その実もっと悪くなったことである。 すなわちすべてにおいて自民党よりはましだという期待感を抱かせる ために、国民はその政策のひどさに気づかずに批判精神をそがれてしまう。 特に松下政経塾によって支配されている野田民主党政権の外交・安保は もはや自民党政権と変わらず酷く、危険であるにもかかわらず、旧社会党 や市民グループの声が反映されるからまだマシだと思ってしまう。 しかし民主党政権の中の左派勢力や市民グループを代表するリベラル 勢力は、オスプレイ配備を阻止する事も、原発再稼動を止める事もできな かった、しようとしなかった。 要するに民主党のリベラル派と呼ばれている議員たちは、ガス抜き役を 演じながら結果的にはすべてを許してしまう。 この罪は深い。 いっそのこと自民党が復活し、対米従属外交や中国敵視政策をやらせて 見ればいいのだ。新自由主義政策をとらせてみればいいのだ。 その反発によって、真のリベラル勢力が今度こそこの国の政治のなかに 生まれてかもしれない。 今の民主党は、似非リベラルであるからこそ、その目を摘み取っている。 私が野田民主党政権の存続に反対する理由がここにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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