□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月7日第439号 ■ ============================================================== 森本新防衛相の弱さと怖さ ============================================================== 私は6月4日のメルマガ第434号で森本新防衛大臣の限界について 書いた。 すなわち親米保守ばかりのこの国の指導者たちの中で、キャリアにおい ても学業においても、彼よりももっと影響力のある親米保守たちに気配り をしなければならないので、彼は思い切った事ができないと。それが彼の 弱さだと。 親米保守たちの間の競争意識と嫉妬の凄まじさの前に立ちすくむことに なると。 たしかにそれが森本新大臣のここ二、三日の言動に如実にあらわれている。 すなわち万事に慎重、謙虚なのだ。 しかしそれを見て私は思いなおした。 その弱さこそ怖さだと。 どういうことか。 彼がこの国の親米保守たちの意見に従ってこの国の外交・安保政策を続け るということは、この国の外交・安保政策がどんどんと対米従属になっていく ということだ。 この国の外交・安保政策の歴史は、67年の年月をかけて対米従属が深化、 固定化されていった歴史だった。 その時々に主役が変わり、大きな出来事が何度かあったが、その度に最後は すべて対米従属の強化に終わった。 極めつけが政権交代後の対米外交だ。 外交・安保政策においても少しは変化が見られるかと期待したが、自民党 政権もおどろくほどの対米従属化が進んだ。 つまりこの国の親米保守の総意がそうなのだ。 ということは、その親米保守の顔色をうかがって、どこからも非難されない ような無難な政策を進めようとすればするほど対米従属化が進むということだ。 従来の方針を変えない。そう野田首相も、その指示を受けた森本新防衛相 も強調する。 それは従来の方針通りという言葉の下で、目立たない形でなし崩し的に対米 従属が深化していくということなのだ。 目立たないだけたちが悪い。 森本新防衛相の下で日本の外交・安保政策はもっと悪くなっていくような 気がする。 弱さゆえの怖さである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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