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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

自作自演の米国のアジア安全保障政策
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月3日第426号 ■   ==============================================================   自作自演の米国のアジア安全保障政策  ==============================================================  南シナ海の領有権をめぐってこのところ中国とフィリピンの対立が 盛んに報道されるようになった。  しかし両国の領有権問題はいまに始まったことではない。  それがここに来て急に大きくなったのはなぜか。  それは経済大国になった中国が軍事的に膨張政策をとり始めたから だというのが専らの報道である。  そういう要素は確かにあるだろう。  しかしそれだけではない。  アジア進出に本腰を入れ始めた米国が中国の脅威を強調し安全保障 分野での関与を強める口実として利用、喧伝しているからだ。  愚かなのはフィリピンだ。  中国と軍事的に敵対しても得することは何もないのに、米国に煽ら れて強硬姿勢に転じた。  そんな中で発せられたパネッタ米国防長官の発言である。  きょう6月3日の読売新聞がシンガポール発石崎伸生記者の記事と して次のように書いている。  アジア安全保障会議に出席中のパネッタ米国防長官がガズミン比 国防相と会談し次のように述べたという。  すなわち南シナ海の領有権をめぐり中国とフィリピンの艦船が 睨み合いを続けていることについて、外交による平和的解決こそ追求 すべきだ、と。  とんでもない自作自演だ。マッチポンプだ。  米国の言うとおりになって、いたずらに中国との関係を悪化させた フィリピンは、米国にはしごを外されたのだ。  日本はこれを他山の石としなければならない。  日本は自主、自立したアジア外交を展開しなければならない。  そう思っていたらその同じ読売新聞が、同じくシンガポール発渡辺 丘記者の記事としてこう報じていた。  別の記者が書いているところがおもしろい。  読売のデスクに見落としがあったか、統一性がないかのどちらかだ。  田中直紀防衛相のかわりに出席した渡辺周防衛副大臣は会議で「中国は 脅威だ」と言ったという。  その後の質疑のなかで記者に聞かれて、あれは脅威ではなく懸念だと 釈明したという。  同じ質問を受けたインドネシアの国防相は「地域において中国は脅威 ではないと信じる」と述べたと。  世界に日本が恥をかいた瞬間だ。  いまに日本も米国にはしごを外されることになる。                               了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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