□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月3日第425号 ■ ============================================================== 核開発をしていた事を認めたミャンマー国防相 ============================================================== シンガポールで開かれているアジア安全保障会議は極めて重要な会議 である。 そのような会議に日本の防衛大臣が出席できなかったという事一つを とってみても、もはや野田政権にこの国を担う資格がないことは明らか であるが、もう野田政権のことなどどうでもいい。 世界はあらゆる分野で歴史的危機の真っ只中に突入しようとしている。 誰が政権を取ってもいいから、早く確かな政権を実現し、この危機意識 を持って日本と日本国民を守るべく行動を起こさなければならない。 その事について私は書き続けて行きたいと思っているが、とりあえず アジア安全保障会議のことについていくつか書いてみたい。 そしてこのメルマガではミャンマーの国防大臣の発言について書く。 各紙の特派員が小さく、しかし一斉に報じている。 ミャンマーのフラ・ミン国防相は2日、アジア安全保障会議に出席し、 その演説の中でミャンマーが核開発を試みていた事をはじめて認めたと。 もちろんそこでフン・ミン国防相が言いたかった事は、いまは止めた ということだ。 そして行なっていた核開発は平和利用であって核兵器ではない、と強調 することだ。 しかし、核開発をしていた事は認めたのである。 なぜ私がこの事に関心を持つのか。 私はかつて米国のキャンベル国務次官補が日本に来るたびにミャンマーに 立ち寄ることに関心を持った。 そして当時の一部の報道が、米国はミャンマーに核疑惑を抱いていると スクープしていたことに注目し、それをメルマガで指摘した。 ずいぶん前のことなので、何月何日の第何号のメルマガであったか再現 できないが、その時私は米国がミャンマーに関心を持つようになったのは、 ミャンマーの民主化でも中国とミャンマーの関係の離反でもなく、北朝鮮 と同じ問題であると書いた。 つまり核開発を放棄せよ、それに応じられなければ、せめてイランとだけ は核協力を止めろ、その見返りは与える、と言うことだ。 その私の見方を、フラ・ミン国防相が見事に公認してくれたという訳だ。 しかもアジア安全保障会議という重大な会議の場で明らかにしてくれた。 米国の外交・安全保障の最大の関心事はイランの核兵器保有を阻止する 事である。 イランを通じて核兵器がテロ組織の手にわたらないようにすることだ。 ミャンマーの軍事政権がそれに応じれば、ミャンマーの民主化については その振りをしてくれれば目をつむる、軍事政権の継続を認める。 これが米国のミャンマーに対するメッセージだ。 カダフィを甘やかしたのもまさしくそれだ。 米国はイランやテロ組織に核兵器を持たせないためには何でもする。 独裁者とも手を組む。 そう考えれば今の米国の外交・安全保障政策がよく理解できる。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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