□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月19日第394号 ■ ============================================================== もはやTPP問題は終わった ============================================================== もはやTPP問題は終わった。 いやTPP是非論の論争が終わり、TPP問題がこれから始まる と言ったほうがより正確だ。 それを象徴する記事をきょう5月19日の新聞に見る。 一つは朝日新聞が一面トップで大きく取り上げた記事だ。 すなわち米国が日本に対し、自動車、保健、牛肉で譲歩を求めている ことがわかったと大きく報じている。 この米国の要求は既にこれまでも断片的にさんざん報じられてきた。 しかしこの時点で朝日新聞がここまで大きく報じたことは何を意味 するのか。 それはもはやTPP問題がこれまで議論されてきた貿易自由化交渉 などでは決してなく、米国の対日構造改革要求であることが隠し通せ なくなってきたということだ。 そして交渉すでに始まっているということだ。 もはやTPPの参加は「是か非か」などという議論は無意味になった ということだ。 米国の要求をどうかわすかだけが問題になるということだ。 もう一つはTPP交渉政府代表に大島正太郎元外務省審議官が決定 したという記事だ。 遅ればせに決まった。交渉が始まった以上誰かをその貧乏くじ役に あてなければならない。 それが大島氏なのだ。 彼は外務省にあって対米経済摩擦交渉を長年担当して来た人物だ。 5月16日のメルマガ第383号で書いた通りこの前までWTO 上級委員を務めていた。 無能ではないが取りたてて交渉力があるわけではない。 そのキャリアの中で米国の要求に従順でありつづけた温厚な官僚だ。 交渉どころではない。 米国の理不尽な対日要求を前に、押されっ放しの長く苦しい不毛な 交渉が始まる。 そのサンドバッグ役には彼が似合っているというわけだ。 この交渉から日本が得るものは何もない。 これがTPP騒動のあっけない顛末である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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