□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月10日第291号 ■ ========================================================= 北ミサイル騒動で露呈した日米同盟のウソ ======================================================== きょう4月10日の産経新聞は一面トップに北ミサイル問題を 取り上げていた。 その見出しは「迎撃 日米に温度差」となっている。 その内容を読むと衝撃的だ。 「どこにイージス艦を展開させるか説明がない」。 4月初旬、 ある自衛隊幹部はそう言って不安を隠そうとしなかった・・・ こういう書きだしで始まるその記事は、日米軍事同盟のむなしさ をこれでもかというほど明らかにしてくれている。 つまり今度の北朝鮮ミサイル発射に際して、米国はイージス艦を どのように展開させるかの計画をいまだに日本に明らかにしていな いというのだ。 この事は二つの事を見事に証明している。 一つは日本の自衛隊は米国からの情報と作戦支持なくしては、独自 の防衛政策をつくれない、そして動けない、ということだ。 二つは、その米国が自国の軍事戦略を最優先し、日本の安全保障 などどうでもいいと考えているということだ。 いうまでもなく自衛隊の装備はすべて米国製であり、それは単に ハードの面だけでなくソフト、つまり軍事戦略面も含む。 その典型がイージス艦でありミサイル迎撃システムだ。 米国との連携なしにはその作戦は意味をなさない。 そして日本は日本にとっての危機にもかかわらず、いつまでたって も米国からその作戦を教えてもらえないという。 なぜ米国は教えないのか。それは単純だ。米国には危機意識はない。 産経新聞は書いている。 06年の北朝鮮のミサイル発射時はハワイ周辺海域に照準を合わせ ていた。 09年のミサイル発射も3000キロ以上飛び、太平洋に着弾した。 その時米軍が太平洋にイージス艦2隻を配置したのは、データ収集 だけでなく、米国民向けに本土を守る姿勢を鮮明にする必要があった。 今回は米国に緊張感がない。米国にとっては大した話ではない、と。 そして産経新聞はその記事を次のように締めくくっている。 今回のミサイル発射(によって)日米の「温度差」と「相互不信」 が浮き彫りとなる可能性がある、と。 その通りである。 しかし悲しいのは、たとえ相互不信が浮き彫りになっても日本は どうすることもできないということだ。不満と矛盾を抱えながら米国 に文句の一つも言えずについていくしかないということだ。 日米同盟は根本的に考え直さなければならない時期に来ている。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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