□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月9日第290号 ■ ========================================================= どちらが悪質な二元外交か ======================================================== 鳩山元首相がイランを訪問してイラン政府と会談した。 これを二元外交だ、政府の方針に反する悪しき議員外交だと 野田首相、玄葉外相が批判した。 しかしもう一つの二元外交についてはどうなんだ。 民主党の石井一参院予算委員長ら10名の参院議員は6日、 普天間飛行場移転問題に関し米軍嘉手納基地への統合移設案を 発表し、それをウェブ米民主党議員に伝えたという(4月7日 朝日ほか)。 これは鳩山元首相のイラン訪問より野田政府にとっては許し 難い二元外交のはずだ。 伝えられるところによれば鳩山元首相のイラン要人との話し 合いは野田政府の方針に反するものではない。 広島、長崎の被曝国日本の元首相として、如何なる国の核兵器 も認められない、と伝えたという。 それは日本政府の立場であり、イランに間違ったシグナルを 与える余地はない。 ところが石井一議員らの議員外交はまったく違う。 普天間基地の移転先は辺野古しかない、それが唯一有効な 選択だといい続けてきた野田政権の方針に変更を迫るものだ。 しかもそれを、同じような主張をしている米国議員と一緒に なって進めようとしている。 まさしく二元外交であり、政府の方針に反する議員外交だ。 何よりも沖縄の負担軽減につながらない。 しかもそれを主導する石井一議員は野田政権の主要幹部議員 である。 要するに野田民主党政権は内部統制が利かないバラバラな政権 であるということである。 因みにこの石井一という議員と私はかつて多少の関係があった。 民主党がまだ野党の頃、石井一選挙対策本部長に参院選出馬を 誘われたことがあった。 その話は結局は実現しなかったが、その誼でしばらく付き合っ ていた時期があった。 国会に関する外交質問を作ってくれと頼まれてつくったことも ある。 彼には自らの外交定見はない。 だから今度の嘉手納統合案も彼の意見ではない。 もはや辺野古移転は現実的ではないという声が内外から起きて いる。 民主党政権と連立を組む国民新党の下地議員などはその主唱者 の一人だ。 そういう議員らの入れ知恵で先を見越して言い出したのだろう。 いずれ米政府も議会の言う事に従って嘉手納統合案を言い出し てくるのではないか、と。 石井一という議員はそういう機を見るに敏な政治家だが、どこ か憎めないところがある。 その石井一氏があるときから小沢一郎に対して距離を置くよう になり、私を驚かせた。 その頃と時を同じくして石井議員からの接触も疎遠になって いった。 いまから思うとあの時から小沢切りが始まったのではないかと 思ってみたりする。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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