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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

北朝鮮の衛星発射騒ぎをここまで大きくしたのは米国である
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年4月8日第288号 ■     =========================================================  北朝鮮の衛星発射騒ぎをここまで大きくしたのは米国である                                                              ========================================================  私は3月27日のメルマガ第250号で3月25日の読売新聞 (ワシントン発山口香子記者)のスクープ記事を引用して、米国は すでに昨年12月の時点で北朝鮮側から人工衛星と称するミサイル を打ち上げを告げられていたと書いた。  エバンス・リビア元米国務次官補代理が米調査研究機関のウェブ サイトに次のように寄稿していたというのだ。  すなわち、昨年12月15日に北朝鮮政府の高官とニューヨーク で接触した際、北朝鮮側から人工衛星と称するミサイルを打ち上げる と告げられていた、と。  これが事実なら、米国はその後で北朝鮮と何度も交渉を重ねてきた ということだ。  それにも関わらず今になってこの騒ぎは何だ。  米朝協議が上手く行かなかったという事か。あるいは両者の間で 食い違いがあったのか。  いずれにしても米朝協議の内容が正しく国際社会に知らされていた ならば、ここまで騒ぎは大きくならなかったはずだ。  一体米朝の間でどのような話し合いがなされていたのか。  これに関し、朝日新聞がたて続けに重要な記事を連発している。  一つは4月7日の「ミサイル発射停止をめぐる2月の協議」という 見出しの記事である。  そこにはこう書かれている。  すなわち2月の米朝協議において「衛星打ち上げ」の解釈を めぐって見解が一致しないまま合意をまとめた可能性があると いうのだ。  米政府は議会などで「ミサイル発射とみなす」と明言したとして いるが、その時北朝鮮がそれに合意したかどうかは明言しなかった という。  一方北朝鮮は「米朝協議では平和的な衛星打ち上げ・・・と終始 一貫して主張していた」と反論する。  これについて韓国関係者は次のように見ているという。  「北が協議内容を暴露する時は本当の事が多い。米国は、合意 すれば衛星も発射しないだろうと早合点したおそれがある」 (韓国政府関係者。  「同じ人物が何十年も対米政策をやっている北と、担当者がころ ころ変わる米国のキャリアの違いだ」(韓国元閣僚)。  もう一つの記事は4月8日の朝日のインタビュー記事だ。  読売新聞のスクープ記事で引用されていたエバンス・リビア元 米国務次官補代理とインタビューをして、こう書いている。  「北朝鮮による長距離弾道ミサイル問題で、米国と北朝鮮が協議 を本格化させた昨年夏の段階から、『国家の権利』として人工衛星 の打ち上げを一貫して主張する北朝鮮と、発射を認めない米国が、 見解が異なる事を知りながら合意していることがわかった」、と。  今度の大騒ぎの原因は米国にある。  道理で米国の態度が嫌におとなしい。  韓国も中国も冷静だ。  馬鹿騒ぎをしているのは日本だけということだ。                            了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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