□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月25日第159号 ■ ========================================================= 河村市長の南京発言を残念に思う ======================================================== 河村市長とはかつて彼がまだ民主党議員の中堅議員の時に少し ばかり親しく付き合った仲だった。 いきなり名古屋の彼の事務所を訪ねたいと申し入れた時、すぐ にそれに応じてくれた気さくさがあった。 近くのうなぎやでうなぎどんぶりの昼食をおごってもらって二人 だけでこの国の政治の将来を語り合ったものだ。 政治家が稼業になっているようではこの国の政治はよくならない。 政治家は本来ボランティアであるべきだと力説する彼を見てつよく 共感したものだ。 それ以来、時々会って話をする仲だったがいつの間には接触する 機会がなくなり、彼が名古屋市長になってからは一度も会うことなく 今日に及んでいる。 彼と話すとき一番気になったのが歴史認識であった。 今度問題にになった南京発言を彼はよく口にした。父親が中国人 から厚遇された事を引用し、このことが南京事件などなかった事の 証拠だという発言も彼のいつもの口ぶりであった。 そのことについて彼と何度も意見を戦わしたが考の考えは変わら なかった。 彼がそのような歴史認識を持つかぎり、たとえ彼と一緒に将来政治 活動をする機会が与えられても、応じられないだろうなと内心、そう 思った事を今思い出している。 とうとう河村氏は南京発言を公けの場で言ってしまった。しかも 姉妹都市の市長として中国側との交流の場で言った。 残念ながらこれで河村市長の政治生命は終わったと思う。 南京事件の歴史的史実には様々な意見があることを私は知っている。 中国側が喧伝する大虐殺の数については疑義があることも知っている し中国側がそれを政治的に利用していることもその通りだ。 しかしだからこそ日中両政府による歴史的検証努力が重ねられ、 犠牲者の数については認定が困難だが虐殺や略奪があったことについ ては認識が一致するところまで辿りついた。 それを否定してはいけない。 「南京事件はなかった」という発言はないだろう。 私は河村氏を橋下徹や石原慎太郎と一緒にして独裁者だと呼ぶ意見 には与しない。 しかし残念ながら今度の発言で彼は同じような部類に思われるよう になってしまった。 石原慎太郎東京都知事はすかさず「正しい。彼を弁護したい」と 24日の記者会見で言ったという(2月25日朝日)。 石原都知事に褒められる程度の政治家になってしまったということだ。 残念でならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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