□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月17日第136号 ■ ========================================================= なぜ新党はすべて保守政党なのか ======================================================== 維新の会といい石原新党といい、その前にできた「みんなの党」 といい、なぜ新党はみな保守政党なのか。 それは逆に言えばなぜリベラルな新党が生まれないのかという 疑問でもある。 そしてその答えを私は2月13日に中沢新一氏らが設立発表した 市民団体「グリーンアクティブ」に見る。 もともと中沢新一氏は昨年10月に新党「緑の党」を11月にも 立ち上げると表明し、それが各紙で報じられた。 私はそれに注目した。 新しいリベラル政党が誕生するかと期待すらした。 そして今年の1月14、15日に横浜で開かれた脱原発世界会議 の際にも、中沢氏は新政党「緑の日本」を設立すると発表していた。 それが2月13日には市民団体「グリーンアクティブ」として 終わったのだ。 私はやはりか、と思った。 これではうまくいかない。 既成政治に風穴を開けることは出来ない。 橋下徹の「維新の会」とあまりにも対照的だ。 私は体験に基づくひとつの確信がある。 リベラル、護憲、人権派たちには新しい政党をつくりたくても つくれない決定的な限界がある。 それは、既存の護憲政党、人権政党である日本共産党や社民党 と敵対関係になることをおそれるからだ。 ただでさえ少ないリベラル派の国民を奪い合い、共倒れになる と思うからだ。 彼らには、保守政党たちのようなどんどんと新党をつくり、 その後で手をつなぐというような、悪く言えば「あつかましさ」、 良く言えば「柔軟さ」がない。 お互いを徹底的に敵対、排斥することになる。 だからそのようなあらたな組織をつくろうとすると、どうして も新党ではなく既存政党、組織の間での「緩やかなネットワーク」 とならざるを得ないのだ。 私が「9条ネットワーク」というあたらしい組織に担ぎ出された 時も、まったく同じだった。 あの時私は繰り返し主張した。「新党9条」として世論に訴える べきだ、と。 そうでないと国民に訴えられない。選挙演説に力が入らない、と。 しかしその提言が受け入れられることはなかった。 それどころか、9条ネットワークは護憲の思いを同じくする既存 の政党の候補者を応援するのだという。 ある選挙区においては9条ネットワークから出馬している私の 応援をそっちのけで社民党候補を応援するという。 しかもその中には民主党候補者は入ってもなぜか共産党候補者 は入らない。 これでは選挙民に届かない。 国民にとっては存在しないに等しい。 2月13日に発表された脱原発などに取り組む市民団体「グリー ンアクティブ」なるものもまったく同じだ。 「原発に依存せず、むやみな自由主義や経済格差に抵抗する人々 の力を集め現状の政治を変えていく」というのが設立趣旨だという。 「次期衆院選挙には独自候補を擁立せず、理念に賛同する議員や 候補者にグリーンシールを与えて支援する」のだという。 さっぱりわからない。 隠れ社民党支持団体のようだ。 既存のみどりの政党らとの関係も不明だ。 これではうまく行くはずがない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)