□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月14日第121号 ■ ========================================================= 負担を押しつけられるだけの日米共同報道発表 ======================================================== 2月8日に突然発表された日米共同文書を語る時、私はそれを 共同報道発表という言葉にこだわる。 なぜならば8日に発表された日米共同文書は合意ではないから だ。 これからその方向で日米政府が合意しますよという基本方針の 発表に過ぎないからだ。 だからこそ、今後の日本政府の対米協議の内容を監視していく 事が重要であるのだ。 だからこそ、れから書くことが意味を持つのだ。 きょう(2月14日)発売の週刊朝日2月24日号で田原総一朗 氏がみずからの連載コラム「田原総一朗のギロン堂 そこが聞き たい!」で次のように書いていた。 「・・・4700人の海兵隊の撤退は、国防予算を減らさないと 議会が承知しないためだ。アメリカはアジア南西部(筆者註:テロ との戦い)の防衛力を削減する分は、日本の防衛力、つまり自衛隊 を強化せよと求めている。日本にもっとカネを出し、自衛隊の行動 範囲を広げよと要請しているのだ。民主、自民両党の安全保障問題 に詳しい政治家たちは、遠からずアメリカが日本に集団的自衛権の 行使を求めてくると見ている。要するに・・・日本の分担を増やせ と要求してくるということだ・・・対中国の抑止力を、日本にもっ と負担せよと突きつけているのだ。」 これは正しい。なぜか。 田原総一朗の言論は、そのほとんどが政治家や官僚達からの聞き かじりの鸚鵡返しである。 だからこの言葉はそのまま政治家や官僚がそう言っている言葉 なのである。政府・官僚の本音だ。 問題はそのような政府の本音を知っていながら大手メディアは それを新聞紙上で国民に教えようとしない事だ。 そう思っていたら2月14日の毎日新聞「発信箱」で大治朋子 外信部記者が次のように書いていた。 「・・・普天間問題とは切り離す形で、日米両政府は8日、 海兵隊のグアム移転を先行して進めることで合意した。日米交渉の 結果というより、国防費の削減などの国内事情を抱える米国主導の 決断だった。国益を第一に、必要とあれば即座にハンドルを切って 方針転換を図る。これが米国流だ。日本政府はそのスピードに圧倒 され、国益を訴える暇さえ見つけられずにいる・・・」 記者はみな分かっている。 分かっていながらそれを堂々と報道記事の中で書いて国民に教え ようとしない。 よほど関心のある読者しか読まないこのような囲い記事の中で独 り言のように呟くだけだ。 大手メディアにもっと勇気があったなら、国民の考えは随分違っ たものになっていることだろう。 メディアの責任は重いと私が繰り返す理由がここにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)