□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月14日第122号 ■ ========================================================= 鳩山由紀夫元首相の発言はあまりにも残念だった ======================================================== 普天間基地移設問題が再びマスコミの注目を浴びるようになった。 それは米国のグアム移転切り離しという政策転換が突然発表され たからだ。 宜野湾市長選挙の結果、普天間固定は許さないという声が一層 強まったからだ。 いまや普天間基地移設問題の混迷は消費税増税問題とならんで 野田民主党政権の命運を握る問題となった。 その普天間基地移設問題の混迷を語る時、必ず出てくるのが次の ような鳩山元首相に対する非難の言葉だ。 「それにしても鳩山元首相の罪はあまりにも大きい。最低でも 県外移転と言って期待を持たせておいて、混迷だけを残して辞めた。 それまでの合意をぶち壊した」。 我々はこの言葉をどれだけ聞かせられただろう。 これからも聞かせられることだろう。 確かにその通りだ。 鳩山元首相は愚かな事をした。 しかし、私が鳩山元首相を残念に思う理由はまったく別のところ にある。 彼の間違いは県外移転を軽々に口走ったことではない。 県外移転を口走って普天間問題をこじらせたからではない。 もともと普天間問題はこじれ、行き詰まっていたのだ。 辺野古移転は、それまでのどのような政権があらゆる手を尽く しても、住民の反対で杭一本まともに打つことが出来なかった。 だから最低でも県外移設と言った鳩山元首相の言葉は正しかった。 のだ。 鳩山元首相の唯一・最大の誤りは、辺野古移転を決めた日米同盟 を認めた上で混乱の責任をとって辞めた事だ。 どうせ辞めるのだ。 だったら、もしあの時、私には沖縄住民が反対する辺野古移転は できない、日米合意は認められない、と言って、その発言の責任を とって辞めていたとしたら、今頃は事情が180度違っていただろう。 反米感情が起きていただろう。 それに怯んでオバマ大統領は辺野古移転の強行を見直さざるを得な かっただろう。 首をかけて普天間問題の膠着を打開したとして、よくも悪くも 鳩山元首相は歴史に残る首相となっただろう。 少なくとも今のようにこれ以上ない不名誉な言葉で非難を浴びせ られることはなかったに違いない。 鳩山元首相は、悔やみきれない大きな間違いを犯したのだ。 もっともその自覚と反省がなさそうなところが宇宙人鳩山の 真骨頂だ。 いくら非難されても馬耳東風のように見える。 羨ましい人だ。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)