□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月22日第821号 ■ ============================================================= パレスチナ問題でロシアと手を結ぼうとしているオバマ大統領 ============================================================ 米国のアジア進出が騒がれているが、米国の外交で一番重要なのは やはりパレスチナ問題だ。 そう思わせる公開情報を見つけた。 オバマ・野田首脳会談が行なわれた11月12日、ハワイで同じ日 にオバマ・メドベージェフ首脳会談が行なわれた。 日本ではまったく報道されなかったが、そこで米露首脳は重大な記者 会見を行なっていたのだ。 それがオバマ大統領による「ジャクソン・バニック修正条項」の ロシアに対する適用除外の方針表明である。 「ジャクソン・バニック修正条項」とは、ユダヤ人の出国を制限する 国に米国が最恵国待遇を与えることを禁止するもので、言い換えれば ユダヤ人の出国を認める国は歓迎し、ユダヤ人の出国を制限する国には ペナルティを与えるものだ。 ロシアには歴史的経緯から多くのユダヤ人が住んでいる。そのユダヤ 人が1948年のイスラエル国家の誕生とともに、ロシアからイスラエル に移住し始めた。 しかし頭脳流出をおそれたソ連政府はユダヤ人に対する出国制限を 行なった。 さらに1967年の第三次中東戦争を契機にソ連はイスラエルとの 国交を断絶し、ユダヤ人のソ連からの出国は事実上不可能になった。 これに対しイスラエル政府は秘密結社をつくり、「ソ連からのユダヤ 人の出国制限は深刻な人権問題である。ソ連政府に対して圧力をかけろ」 というロビー活動を欧米で始めた。 このロビー活動は冷戦の終結とともに奏功し、1991年にはソ連は イスラエルと国交を回復し、ソ連からのユダヤ人の出国は完全に自由に なった。 しかしこの自由がふたたび制限される危険性があると米国は考えたの で、「ジャクソン・バニック修正条項」を米国は今日まで撤廃していない。 いわば「ジャクソン・バニック修正条項」は米国とイスラエルが 運命共同体であることを示すものである。 世界に散らばっているユダヤ人がイスラエルに帰ってくる事を助ける ための条項なのだ。 その条項を、ついにオバマ大統領はロシアに適用しない、とメドベー ジェフ大統領に伝えたのだ。 ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟の決定を受けての発表である。 これでロシア(ソ連)からのユダヤ人のイスラエル移住が加速すること になる。 イスラエルとロシアの緊密な関係がさらに促進されることになる。 パレスチナ問題で米国とロシアの立場が近づくことになる。 この貴重な情報をどうして私が手に入れたのか。 それがこのメルマガで私が伝えたい事である。 週刊アサヒ芸能12月1日号で佐藤優がみずからの連載「ニッポン 有事!」の中で書いていた。 週刊アサヒ芸能を読むような読者の果たして何人が、この記事の意味 を理解できるというのか。 佐藤優はそんな事はお構い無しに、それを理解する者たちを相手に イスラエルから得たメッセージを日本国民に送り続けているのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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