□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月21日第820号 ■ ============================================================= 護憲派はサイバー戦争に耐えられる理論武装を急ぐ必要がある ============================================================ ニューズウィーク日本版の最新号(11月23日号)はサイバー戦争 についての特集を組んでいる。 それを読むと、もはや米国はサイバー空間を、陸・海・空・宇宙に並 ぶ「第5の軍事領域」と位置づけ、次々と戦略を進めていることが わかる。 そのニューズウィークの記事は、サイバー攻撃を行なっている危険な 国として中国・ロシアを槍玉にあげているが、よく読めばサイバー戦争 を現実に行なっているのは米国・イスラエルであることがわかる。 サイバー攻撃には情報を盗んだり、妨害する攻撃と、兵器を破壊する 文字通りの攻撃に大別される。 米国はまさしく破壊的なサイバー攻撃をリビアとイランに対して 行なってきたと次のようにニューズウィークは書いている。 すなわち、米政府はリビア軍のレーダー防衛網をサイバー攻撃で無力 化しようとしていたし、イランに対してはイスラエルと一緒になって スタックスネットと呼ばれるウィルス開発し、それをばらまいてイラン の核兵器開発施設を破壊した、と書いている。 しかし私がこのメルマガで言いたい事はサイバー攻撃の事ではない。 サイバー戦争に憲法9条はどこまで耐えられるかというテーマだ。 この特集記事を書いた山田敏弘ニューズウィーク記者は次のように 書いている。 「(サイバー攻撃は、国家に対する戦争行為であるのに)日本政府の 見解は違う・・・『世界的にもサイバー戦が国際法上の戦争であるかは コンセンサスは得られていない』、『日本の場合、サイバー攻撃が戦争 状態だと軽々しく定義してしまうと、憲法上の問題が出てくる』(内閣 官房情報セキュアリティセンターの木本裕司参事官)。 ここに、日本が世界でも最もサイバー攻撃に対して脆弱である理由が ある。日本には戦争放棄を規定した憲法9条が存在する。そして国民を 守る自衛隊は専守防衛という国防の基本がある。だが、特定の国が、 政府機関や自衛隊をサイバー攻撃で無力化、または破壊するようなこと になれば、それは戦争行為に当たらないのか・・・」 このニューズウィークの記事を読んで私は直感的に思った。 憲法9条改憲や専守防衛の変更は、サイバー戦争に対処するためにも 必要だという議論が今後は改憲派から提起されるのではないか。 すでに佐藤優はそう言い始めている。 護憲派や憲法学者はそれに耐えられる理論武装を急がなければ いけない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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