□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月3日第772号 ■ ============================================================= 日・米・イスラエル間のサイバー・テロ対策協力を説く佐藤優 ============================================================= 私は10月29日のメルマガ第761号で、東京新聞の10月28日 の「本音のコラム」を引用し、佐藤優が「中東某情報大国」と協力して 日本はサイバー・テロ対策を強化せよと説いていることの危険性に ついて書いた。 「中東の某情報大国」とはイスラエルのことであり、そのイスラエル の代弁者のような佐藤優の言動と、それをしきりに流す日本のメディア に要注意だ、と書いた。 その私の警鐘をあざわらうかのように、11月2日の毎日新聞は、 「異論 反論」のコラムで佐藤優の持論を大きく掲載していた。 しかも、ここでは佐藤優は堂々とイスラエルという国名を名指しして いる。 それどころかシンベト(国内治安担当)、モサド(対外諜報工作担当)、 アマン(軍事諜報担当)などというイスラエルの秘密組織の名前を挙げ て、サイバーテロ対策のために、米・イスラエル・日の協力体制の構築 を急げ、とあからさまに説いている。 私がもっとも注目するのは、彼が「サイバー・テロ対策には専守防衛 はない」としきりに強調している点だ。 これは非常に危険な考えだ。 周知のように米国はサイバー・テロも軍事テロも同じだと言っている。 サイバイー・テロを行なった国には軍事報復をすると言っている。 しかも先制攻撃をすると言っている。 その一方で、米国やイスラエルは、イランの核施設(原子力施設)を 破壊する目的で、サイバー・テロを仕掛けていると報じられてきた。 すなわちいまや世界で最強のサイバー・テロ国家は米国・イスラエル なのだ。 その世界最強のサイバー・テロ国家が、中国やイランなどをサイバー・ テロ国家と決めつけて警戒し、先制攻撃も辞さないと言っているのだ。 これが佐藤優が繰り返し言う、「サイバー・テロ対策には専守防衛は ない」という意味である。 このような国と日本が協力を強化すればどうなるのか。 それはあまりにも明らかだ。 日本はサイバー・テロ戦争に巻き込まれる。 それどころか本物の戦争に巻き込まれる。 佐藤優は看過できない危険な言説を振りまいているのだ。 日本のメディアもまた、佐藤優を取り上げることによって日本を 危うくする事に加担しているのだ。 何が「サイバー・テロ対策に専守防衛はない」だ。 サイバー・テロ対策こそ専守防衛に徹するべきなのだ。 あらゆる国際法、人権法を無視してパレスチナ弾圧を繰り返す米国、 イスラエルは、憲法9条を持つ日本とは根本的に相容れない国だ。 サイバー・テロ対策に限らず、日本は決して専守防衛の基本姿勢を 崩してはならない。 それを求める米国、イスラエルとは決して協力してはいけない。 誰かがその事を、メディアで言わなければ日本は危うい。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)