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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

このまま郵便不正事件を終わらせていいのか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月3日第771号 ■     =============================================================   このまま郵便不正事件を終わらせていいのか                                              =============================================================  今日(11月3日)の朝日新聞が小さく報じていた。  障害者団体の郵便割引制度を悪用して不正に郵便料金を詐取したあの 郵政不正事件について、厚労省の元係長上村(かみむら)勉被告(42) に対する論告求刑公判が11月2日大阪地裁で行われたと。  検察側は懲役1年6ヶ月を求刑し、判決は来年1月23日に下される。  すでに悪事を働いた側の有罪判決は下っている。  偽の証明書を発行した厚労省の係長の有罪判決が下れば、これでこの 不正事件は一件落着となる。  それで本当に終わりにしていいのだろうか。  私にはこの郵便不正事件にはいくつかの疑問点が残る。  まず何と言っても、この事件が上村係長の単独犯罪だったのか、と いう疑問である。  官僚であった私の経験から言えば、係長の一存でこんな事が出来る のか、ということである。  政治家であるのか、元上司であるのか、誰かの口利きはまったく無か ったのか、という事である。  上村係長の上司であった村木厚子厚労省元局長は冤罪だった。その事 で彼女に同情が集まり、この事件は冤罪事件にかわった。  しかし、その一方で彼女の監督責任はまったくなかったのか。彼女は まったく知らされていなかったのか。これも官僚であった私の経験から 言えば疑問が残る。  それに何と言っても、この事件を台無しにした検察組織が何一つ責任 をとっていないことだ。  村木厚子元局長は冤罪で被った被害について国家賠償請求訴訟を起こ した。そしてその実質的な審理がはじまる前に、国側が3700万円の 支払いに応じることにしたのは10月中旬であった。  当時この事についての疑問を呈する報道はどこもなかったが、ひとり 日刊ゲンダイだけが10月20日号で次のように書いていた。  「・・・国側が早々と負けを認めるのは異例だ。国は『証拠改ざんと いう特殊性を考慮した』と説明するが、賠償を認めたことで違法捜査の 審理は公判で争われない。真相もヤブの中のままだ。それよりも、なぜ、 デタラメ検察の尻拭いを税金でやるのか・・・検察(組織)の全面降伏 だった(のだから)全国の2700人いる検察官が一人あたり1万円 ちょっと(を負担すれば)済む話ではないか」、と。  このまま郵便不正事件を終わらせるには疑問だらけである。                               了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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