□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月17日第731号 ■ ============================================================= 「ベッドの長さににあわせて手足を切る」ような政府・東電の原発事故対応 ============================================================= 10月16日の日経新聞が小さく報じていた。 厚生労働省は15日までに福島原発事故対応に従事する労働者の被ばく 上限について100ミリシーベルトに引き下げる方針を固めた、と。 福島事故の直後は250ミリシーベルトに引き上げていたが、原発事故 周辺の放射線量が下がってきたから通常の上限にもどすのだ、と。 しかし、引き下げたあとも、原子炉冷却の注水設備や汚水処理施設など にトラブルが生じた場合は緊急作業として250ミリシーベルトを適用する、 と。 ひどい話だ。 労働者を集めなければならない時は、被ばく上限を引き上げる。 その必要性が減じたら通常に戻す。 しかし緊急事態が起きればまた上限をあげて労働力を得やすくする。 労働者の健康被害など二の次だ。 「ベッドの長さにあわせて手足を切る」のたとえ通りではないか。 そう思っていたら、10月17日の東京新聞が報じていた。 原発事故収束の工程表発表から17日で半年になるが目標達成がおぼつか ない。そこで東電や政府は「冷温停止」の定義をいつの間にか変えてごまか した、と。 つまり、「原子炉内の水が沸騰せず、圧力容器が密閉されて放射性物質が 外部に出て行かない状態」が冷温停止の真の姿であるのに、「原子炉の温度 が下がり、放射性物質の放出が管理され、(敷地内の)放射線量が大幅に 抑えられて」いれば、それが冷温停止だ、と定義を変えてしまったという。 政府・東電の原発事故の対応はごまかしだらけである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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