□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月19日発行 第346号 ■ =============================================================== 「浜岡」停止は米国の策謀とアエラに書いた内田樹 =============================================================== 発売中の週刊アエラ5月23日号の巻頭(9ページ)に「内田樹 (たつる)の大市民講座」というコラムがある。 そこで内田氏は「『浜岡』停止は米国の策謀」と題して要旨次の ように書いている。 経産省も電力会社も「浜岡は安全です」と言い続けてきたのだから こんな「思いつき的」提案は一蹴しなければ筋が通らないのに、なぜ そうしなかったのか。政府と霞ヶ関と財界が根回し抜きで合意する ことがあるとしたら、その条件は一つしかない。アメリカの要請が あったからである。 アメリカは廃炉ビジネスで一儲けするつもりだ。いずれこう言って くるだろう。「あなたがたは原発を適切にコントロールできずに周辺 国に多大の迷惑をかけた以上原発を続けることを国際世論は許さない だろう。順次廃炉にしなさい。廃炉のお仕事はアメリカの廃炉業者が まるごと引き受けるから」、と。「ああ、それから代替エネルギーも いいプラントがありますよ」と売り込みも忘れないはずだ。 それに浜岡で事故が起きると、アメリカの西太平洋戦略の要衡で ある横須賀の第七艦隊司令部の機能に障害が出る。それは絶対にゆる されないことだ。 内田樹はこの自らの発言がどういう根拠に基づくものであるかを 示してはいない。それどころか、「見たわけではないので、想像です けど」と冗談めかしている。 しかし、内田樹氏は神戸女学院大学の名誉教授であり、いまや名の 通った言論人だ。アエラは天下の朝日新聞が出版している真面目な 週刊誌だ。まったく根拠のないことを書いたり掲載したりはしない だろう。 実際のところネット上では菅首相は米国の指示を受けて浜岡原発停止 を言い出したという情報は飛び交っている。 それにもかかわらず、私はこの内田樹氏の記事をメルマガで取り上げ なかった。私が取り上げる公開情報はすべてなんらかの根拠を示して書 く事にしているからだ。 ところが平田オリザ発言以降は私の方針は変わった。 根拠があろうがなかろうが、私はもはや菅首相のあらゆる言動の背後 には米国がいると思うことにした。 対米従属の日本の首相は数限りなくいたがここまで米国に無条件、 無節操に従属する首相を私は知らない。 内田樹氏の書いていることは正しいと思うことにしている。 了
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