□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月19日発行 第345号 ■ =============================================================== 見事に蓋をされた平田オリザ発言 =============================================================== 平田オリザ氏の発言を今朝のメディアがどう報じるか注目した。 見事に蓋をされて終わってしまった。 さすがに無視するわけにはいかないと見えて報道はされたが、 5月19日の各紙の報道振りは小さく、しかも誤認発言で済まされ ようとしている。 細野豪志首相補佐官は18日の記者会見で、「本人も勘違いだった として発言を訂正したと聞いている」と述べ(5月19日東京新聞)、 枝野官房長官はやはり18日の記者会見で、「(平田氏の発言内容を) 承知していないし、放出前に米国に通報したことも聞いていない」と とぼけている(5月19日毎日新聞)。 平田氏本人は東京からの電子メールで報道を知り、仙谷官房副長官 に電話で「申し訳なかった」と陳謝し、「内閣官房参与であるが、 この問題には全くかかわっておらず、事実関係を確認できる立場でも ない」と事実誤認を強調したという(5月19日毎日)。 韓国にまで出かけていって、あれほど明確に「米国からの強い要請 があった」と世界に発言したのにである。 朝日や日経に至っては平田発言を報道することすらしない。 そんな中で19日の朝のテレ朝「やじうまテレビ」の解説者竹田圭吾 ニューズウィーク日本語版編集長だけが、この発言の重大さを語って いた。 すなわち竹田氏はこの発言は菅政権のほかの失言と一緒に論じる にはあまりにも重大な発言だと断じた。 しかし、私が驚いたのはその後の彼の発言だ。 言ってはならないこのような機密情報を簡単に口に出してしまう。 これではどの国も日本を信用しなくなるだろう、と。 米国からの圧力で政治決断した対米従属振りには一切触れる事無く、 機密情報を漏らした平田オリザの軽率さを批判しているのだ。 もはやこの国の政府とメディアにとっては対米従属はあたりまえと なっているようだ。それを批判する姿勢ははじめから存在しない。 それどころか対米従属を批判するほうがおかしいといわんばかりだ。 それにしても、国会でこの発言が問題にされることはないのだろうか。 放射能汚染水の海への放出という一大政治決断が、菅首相の判断か、 米国の命令によるものか、それほど重大なことを曖昧なままにされて 終わってしまうのであろうか。 共産党や社民党は菅政権を追及する気はないのだろうか。 対米従属を問題にしないのだろうか。 ことは放射能汚染水を海に流したという重大な政治判断である。 了
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