□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月18日発行 第344号 ■ =============================================================== 国連常任理事国入りの徒労を今でも続ける外務官僚 =============================================================== 何度言えば気がすむのか。 こんな外交を続ける外務官僚も外務官僚なら、それを記事に する読売新聞も読売新聞だ。 5月16日の読売新聞は日本、ドイツ、インド、ブラジル四カ国 の国連常任理事国入りを阻止する「反G4」国際会合が16日に ローマで開かれるという記事を掲載していた。 私がその記事に注目したのはそのような「反G」会合が開かれる ということではない。 外務省はまだこんなことをやっているのかという嘆息をもって その記事に注目したのだ。 震災外交や普天間問題、北方領土問題など、やるべき外交が山積 しているというのに、それらの困難な外交にお手上げの一方で、 可能性のまったくない国連安保理常任理事国入りに奔走している外務 官僚に今更ながらあきれ果てる。 外務官僚が自らの野心を満たすために策動した常任理事国入りの 試みは、外務官僚のあらゆる試みの果てに2005年に完膚なきまで に挫折した。 その最大の理由は米国と中国がともに反対したからだ。 その状況は変わっていないどころかますます強まっている。おまけ に日本の世界における相対的地位は低下する一方だ。 何と言っても今の日本外交ははそんな事を目指すよりも他にやる べきことがある。 読売新聞の記事によれば、国連常任理自国入りを目指す日本、ドイ ツ、インド、ブラジルの四カ国(G4)は今年3月、再び国連改革 決議案を作成して加盟各国への協力要請を始めたが支持が広がらない という。その挙句の果てに、今回の反G4会合の開催だ。 G4はその結果を見て月末にも改革案を国連総会に提出する是非を 最終判断するという。 改革案を作成してわずか2ヶ月で再び頓挫することになるだろう。 外務官僚はこんどこそあきらめて、本来の外交に専念すべきである。 たとえそれが彼らの能力の手に負えない難しいものであっても、やは り本来の外交を行なうべきである。 了
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