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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

日本は中国と反対の道を歩む覚悟はあるのか 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月11日発行 第329号 ■     ===============================================================   日本は中国と反対の道を歩む覚悟はあるのか   ===============================================================  菅首相の脱原発宣言をあざわらうかのように、中国は新規原発 の稼動を発表したと5月11日の産経新聞は次のように報じている。  すなわち中国の原子力発電大手、中国広東核電集団は、広東深セン で建設を進めていた嶺オウ原子力発電所の第二期二号機の商業運転を 6月15日に始めるとホームページで公表した。これは福島原発事故 以来、世界ではじめての新規稼動になる、と。  経済発展を最優先する中国政府が電力需要の増大に対応するには 原発推進は止むを得ないと考えることはいわば当然である。  中国国民の間には原発事故への恐怖心はもちろんある。それを無視 して原発推進ができるのは中国が共産党一党支配の強権的な国である という側面はもちろんある。  しかし、それだけではない。  中国国民も経済発展や国威発揚のためにそれを認めるところがある。  つまり今の中国はそういう国なのだ。  かくして中国は世界でも有数の原発国となる。それは取りも直さず 米国とならぶ核大国となるということでもある。  そのような中国に対し、日本が菅首相の言うように脱原発をすすめ ていくとどうなるか。  中国との格差はますます開いて行き、日本はもはや軍事力はおろか 経済力においても、とても中国にはかなわなくなるだろう。  産経新聞の愛読者のような愛国、反中国の立場の人々はもちろんの こと、多くの日本国民にとっても受け入れがたい事であるに違いない。  しかし、脱原発政策を進めるということはそういう事なのだ。  経済成長を最優先する競争主義、効率主義の国のあり方から決別し、 共生社会、人間性の豊かさを求める社会に価値観を変えていくという ことなのである。  なによりも核兵器などを有しない平和国家を守るということである。  脱原発のエネルギー政策を進めていくということはそういう事だ。  そして私は日本はその方向を目指すべきだと考える。  果たして菅首相はそこまで自覚した上で白紙撤回宣言をしたのか、 ということである。                             了

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