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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

おい、メディア、お前らは何をボヤボヤしている。
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月14日発行 第269号 ■     ===============================================================       おい、メディア、お前らは何をボヤボヤしている。      ===============================================================  つい、ここまで乱暴な言葉を使いたくもなる。  原発事故の発生以来、メディアの報道振りがあまりにも いい加減であるからだ。  日本がここまで悪くなった最大の元凶は、もちろんこの国 の政治家や官僚たちの無策と怠慢だ。  しかしそれを正しく報じないメディアの責任放棄こそこの 国がここまで悪くなった最大の元凶に違いない。  メディアが国民に正しく情報を伝えていたならば、政府も 官僚もここまでの甘えは許されなかったはずだ。  ここでいうメディアとは勿論すべてのメディアではない。  もはやこの国の権力の一部に成り下がったと思える大手新聞 とテレビ局を指している。  菅首相が13日に松本健一内閣官房参与と官邸で復興策に ついて協議した際、原発周辺は20年住めないだろうと発言 していたという。  その事を松本参与が暴露した。  しかし直ちに菅首相がこれを否定して松本参与がその発言を 撤回した。  どちらが正しいのか。  もし菅首相の発言が事実だとしたらこの発言だけでも引責辞任 しなければならないほどの重大発言だ。  原発被災地の復興の根幹にかかわる問題である。  絶望に打ちのめされた被災地住民の気持ちを裏切る発言だ。  復興計画の陣頭指揮を取るこの国の首相が口にしてはいけない 言葉だ。  同じような発言が菅首相には過去にもあった。  沖縄はもうどうしようもない。独立するしかない、という発言だ。  これは喜納昌吉前議員が暴露した発言だ。  この発言は菅首相が首相になる前の発言であったが、その菅氏が 首相になって、いま普天間問題を解決する立場にある。  もし首相がこのような認識で対米交渉を行なっているとすれば 沖縄住民は浮かばれない。  問題は、なぜこのような深刻な発言が、あの時も、そしてこの時 も、曖昧なままにやり過ごされてしまうのかということだ。  あの時も、今度も、菅首相はその発言を否定した。  しかし喜納昌吉氏も松本健一氏も嘘をついたとは誰も思わない だろう。  もし菅首相が嘘をついたとしたら大変だ。  それを追及して真実を知らせることこそメディアの責任では ないか。  それをしないのは明らかにメディアの怠慢だ。  いや、それは意図した怠慢に違いない。  あえて真実を明らかにしようとしないのは、それを明らかに すれば菅首相が窮地に追い込まれるからだ。  もう一つ最近の菅首相の発言で問題とされる発言があった。  それは菅首相が12日の記者会見で記者から辞任を迫られた時 に答えた言葉だ。  4月14日の日刊ゲンダイの記事を読んで私は知った。  もはや総理の存在が、与野党協議の障害になっているばかりか、 国民の不安の材料となっている。「何のために、その地位にしがみ ついているのか」と記者が質問した時、菅首相は気色ばんで「私と あなたの見方はかなり違っているとしか申し上げようがない」と 反論したという。  まるで福田首相が退任の時の記者会見で語った言葉を彷彿させる。  このような重大な発言が記者会見で発せられたにもかかわらず 翌日の大手新聞、テレビは一切報じない。  大手メディアが菅首相や菅民主党政権を擁護するのは勝手だ。  しかし少なくともメディアはその前に、知りえた情報は国民に 知らせなければならない。  メディアが国民に知らせる情報を恣意的に選択してはいけない。 正しい情報を伝えた上で、その判断を国民に委ねる。  これが民主主義であり、メディアはまさしくそのような民主主義 の発展、定着に貢献する使命がある。  結果的にはそれが正しい政権をつくる最善の近道である。  長い目でみれば菅首相や菅民主党政権にとっても最善なことである。                             了

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