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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 節電と自家発電が脱原発の二大キーワードであると思う
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月9日発行 第249号 ■     ===============================================================     節電と自家発電が脱原発の二大キーワードであると思う        ===============================================================  私が唱える「もう一つの日本をつくる」という考えの根底に あるのは、極端に言えば平和的な革命である。  革命、すなわち権力の移譲である以上、たとえそれが平和的 に行なわれるものであっても既得権力者はそれを許さない。  むしろ平和的な革命であるからこそ権力者はそれをおそれて あらゆる手段でそれを抑え込もうとするだろう。  だから「もう一つの日本をつくる」試みは至難の業である。  それを可能にするのは、それを現実に行動に移そうとする 指導者、しかもそれにふさわしい正しい動機を持った指導者が 現れることと、その指導者を支え、自分達の手でそれを具体化して みせるという地域住民の強い情熱、そしてどんな小さなプロ ジェクトでもいいから、そこから始めて(つまり権力構造を一気 に変えるという過激なものではなく)、そこから針の一穴の如く 広げていく、この三つであると思う。  それに加えてタイミングがある。  今度の大震災は戦争被害に匹敵する災害だ。  おまけに放射線被曝という絶対的な脅威がある。  しかも原発事故は支配体制側による人災の面が強いことも 皆が知った。  原発事故の被害を繰り返さないという大義名分を今は誰も否定 できない。  「もう一つの日本をつくる」という試みは今をおいてないのだ。  逆にいえば、この機会に何らかのあたらしい動きが出てこない限り、 この国の権力構造を変える可能性は今後は二度とこないと思っても 間違いはないだろう。  以上の前置きをした上で、「それではどうしたらいいか」について、 最近の報道を見て一つの考えが浮かんだ。  今日(4月9日)の読売新聞に次のような記事があった。  すなわち日本エネルギー経済研究所が夏場に予想されている電力 不足のために家庭でも節電しろとその対策を試算している。  政府も今後は節電要求を国民に求めてくるに決まっている。  脱原発として太陽エネルギーの可能性を指摘している小出裕章京大 助教も以下の動画で自発的節約努力は脱原発のためには必要だと 言っている。  因みにこの動画は最近私が見た動画の中でもわかりやすいものだ。  http://www.youtube.com/watch?v=PLJVLul6Wz0  小出助教の言う通りであって、節約を権力側から押し付けられる 筋合いはないが、自発的にエネルギーの無駄遣いを避ける努力を する事は必要であり重要なことなのだ。  節約の一方で、最近の報道で私が知ったことは、いわゆる自家発電 装置がかなり普及しているということである。  小出助教の動画でもわかるが、自家発電は火力、水力、原子力と 並んでいまや立派な電力供給源である。  今日の産経ニュースでも巨人が東京ドームのナイターで使う膨大な 電力量を自家発電でまかなうという事が流されていた。  問題は大きな予算が要るから、それを上回る収益が得られる大企業 しかそれができないということだろう。  だから住民が自分の使用する電源は自分達(太陽光パネル)で一部 つくり、足りない分をその町なり村がその土地に適した最善の方法で コミュニティーのために自家発電所をつくってバックアップする。 この過程で様々な埋もれていた個人的技術が活かせる余地が出てくる。  それでも足りない分は電力会社から買えばいい。  そういうシステムづくりを考え出して、被災した、特に原発被害に あった地域自治体が、国にその予算を復興支援として要求してそれを 現実のものとする。  初度設備に金がかかるとすれば、まさしくそれを国が行なえば出来る はずだ。  こういう村づくりの考えが、どこかの地域の首長や住民から出てこない ものであろうか、と思う。  そして、その大前提は住民の節電意識である。  すなわち、自家発電は、金かかかることと供給能力が少ない、という 二大欠点があるとすれば、前者は国の復興予算から、そして後者は、 自分が使う生活用電気は節約して大切に使う、これで克服できるのでは ないか。  この私の思いつきの考えの最大の問題は、それが家庭に一般化すれば 電力会社の利益独占体制が崩れることだと思う。  電力会社の儲けが失われ、従ってまたその膨大な儲けから利権を山分 けしている支配体制側の既得権が失われる。  もしそうであるとすれば、それこそが支配者側の外にある大多数の国民 が、それを自らの手で変えていかなければならないことではないか。  私の言う「もう一つの日本をつくる」という考えである。  平和的な革命である。                         了    

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