□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月5日発行 第236号 ■ ================================================================== 読売新聞に原発を語る資格はない ================================================================== 4月5日の読売新聞は大震災後の世論調査を発表していた。 その中で私が関心を持ったのはやはり原発事故の後を受けて 日本国民が原発にどういう反応を見せるかであった。 読売新聞の世論調査の結果では、福島原発事故に対する政府の 対応を、「評価する27%」に対し、「評価しない61%」だった。 しかし、今後、原発をどうすべきと思うかについては、「増やす べき10%」、「現状維持46%」、「減らすべき29%」、 「すべてなくすべき12%」であったという。 私はこれらの数字についてとやかく言うつもりない。 それらの数字は案外当たっているのではないかと思ったりする。 しかし、私がこのメルマガで言いたいことは、読売新聞に原発 を語る資格はない、ということだ。 日本国民はいまこそ両目をカッと見開いて、有馬哲夫著の「原発・ 正力・CIA」ー機密文書で読む昭和裏面史―(新潮新書2008年 2月20日発行)を読むべきである。 そこには次のような驚愕の事実が歴史資料の裏づけをもって書かれ ている。 すなわち読売新聞中興の祖と言われた元読売新聞社主の正力松太郎氏 (警察官僚、実業家、政治家)が、CIAから暗号名で呼ばれるほど の協力者となって、日本の原発導入に加担したという事実である。 1954年のビキニ環礁核実験の被曝(漁船第5福竜丸乗組員の 被曝死)をきっかけに起こった反米、反原発機運をそらすため、 原子力の平和利用を宣伝するために米国に協力したという事実である。 総理を手にしたいという自らの政治的野心と引き換えに日本に原子 力発電を導入する米国の戦略に協力しようとしたという事実である。 そんな歴史的因縁がある読売新聞には原子力発電について日本国民に 何を語っても鼻白むだけである。 読売新聞に原子力発電を語る資格はない。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)