□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月3日発行 第231号 ■ ================================================================== 「バベルの塔」の逸話を思い出す読売新聞「編集手帳」の記事 ================================================================== 4月3日の読売新聞「編集手帳」を読んで考えさせられた。 その記事は要旨こういう事を書いている。 ・・・震災発生の日に、東京スカイツリーの建設現場は大丈夫 だったかと心配した人が多かったかもしれない。 あれほどの工事が進行中であったからだ。 しかし、スカイツリーは着々と成長を続け、震災の1週間後に 頂点の634メートルに達した。 頼もしい事だ。 東京タワーは曲がった。しかしその東京タワーも遠からず曲がった 先端をぴしっと立て直すはずである。タワー世代もくじけては いられない・・・ この文章を書いた編集委員は私よりは若いであろうが、東京タワー を自分に重ねあわせる世代であるから同年代なのだろう。 経済成長至上主義のなかで育った世代である。 しかし、いま我々が考え直さなくてはいけないのは、まさしく このような経済至上主義一辺倒の考え方ではないのか。 経済成長を目指すなとはいわない。 それを求める事もいいだろう。 しかしそれが全てではない。 そうでない生き方もある。 その生き方もなた、経済成長を求める生き方と等しく同等の価値を 与えられなければいけないのではないか。 そういう考えに思いを馳せる事の重要性が今こそ求められている。 「もうひとつの日本」を目指すということは、経済成長至上主義と 同等に、人間の限界を見つめる生き方にも価値を認めろという事 である。 「バベルの塔」の教訓に思いを馳せるということである。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)