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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

TPP問題はもはや終わった(続)  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月2日発行 第226号 ■     ==================================================================    TPP問題はもはや終わった(続)          ==================================================================  私は3月29日のメルマガ第213号で、日本国内があれほど 騒いだTPP交渉加盟問題について、もはや終わった、通常の自由 貿易交渉に埋没していく、と書いた。  なぜならば米国が自由化例外品目を要求するようになったからだ。  一旦例外品目を認める事になれば、あとは終わりのない例外品目 要求交渉となる。  そうしてまた一つ。  TPP交渉がもはやすぐには動かない事を証明する記事を見つけた。  記録にとどめる観点から書きておきたい。  3月31日の日経新聞で、シンガポール国際問題研究所のチア上級 研究員の次のようなコメントが掲載されていた。  「(TPP交渉を始めた9カ国の間でさえ)、全ての関税をゼロに することは不可能だ。米国は・・・豪州の砂糖を拒んでおり砂糖の 関税をゼロにはできない。9カ国間の交渉はさらに複雑で、最終的 には合意できずにTPPから離脱する国も出る可能性がある・・・  当初、署名時期としていた11月は大筋合意にとどまる(事で よいと)米国も変えてきた。各国がこだわる敏感な品目については 継続的に交渉を続ける形にするのではないか。ただ、この時点で TPPはオバマ大統領の言う『質の高い貿易協定』とは言えなくなる ・・・アジア開発銀行の調査では企業のFTA(自由貿易協定)の 利用率は3割に過ぎない。仕組みが複雑で書類準備なども手間がかかる ・・・いくら政府や政治家が時間をかけて議論しても、TPPも使い やすいものでなければ意味はない」。  わが国におけるTPP推進のあの大騒ぎは一体何だったのか。  平成の開国だ、などというおおげさな言葉を使って政治生命を賭ける と大見得を切っていた菅首相は、実は何もわからずに誰かに吹き込まれ て叫んでいたに違いない。                           了

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