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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

菅首相のエネルギー政策見直し発言を私は信用しない  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月2日発行 第225号 ■     ==================================================================    菅首相のエネルギー政策見直し発言を私は信用しない          ==================================================================  菅首相が3月31日に共産党の志位委員長と会談した際、政府の エネルギー基本政策について「白紙、見直しを含めて検討する」と 表明したらしい。  それを4月1日の各紙があたかもエネルギー政策の転換を決断した かのように大きく書いている。  同じような事は少し前にもあった。  そうだ。菅首相は3月30日に社民党の福島瑞穂党首と会った際、 「これだけの事故が起こったのだから、エネルギー政策の見直しや 体制のあり方は議論になる」と語った(3月31日日経)。  福島党首に語った時よりも志位委員長に語った時のほうが、より踏み 込んだ発言をした。  しかし、私は菅首相の原発見直し発言を信用しない。  なぜか。  もちろん、その言葉や言い回しが曖昧であるからだ。  どうとでも言い逃れできるような表現だ。  しかし、それよりも重要なことは、それが原発反対の社民党や共産党 の党首との会談で出た発言であるからだ。  もし菅首相が本気で原発政策を見直す事にしたのならば、真っ先に それを国民の前で公式に表明しなければならない。  それが国民に対する誠実のあかしである。  そして本気で原発政策を見直す積もりなら、まずこの国の原発推進派 である電力会社や大手企業の前で、それらの利益集団である日本経団連 会長の前で、その決意を述べなければならないのだ。  社民党や共産党の党首の前では何でも言える。  彼らの政治的影響力の小ささを考えれば何を言ってもいいのだ。  それにしても私が残念に思うのは社民党と共産党だ。  彼らは自分たちが菅首相を訪れて原発廃止を訴えれば、それで この国の原発政策を変えられると本気で思っているのだろうか。  そうではあるまい。  おまけに、決して一緒になって原発廃止の申し入れを行なおうとは しない。  先を争って首相に見直しを申し入れようとしているが如くだ。  申し入れをしましたと内外にアピールすることが重要だといわん ばかりだ。  それはまさしく護憲政策を訴える時の社民党と共産党の姿と瓜 二つだ。  決して団結しようとはしない。  目的を実現する事をとうにあきらめ、ただひたすらに原発反対、 憲法9条護持を主張する事に専念して事足れり、とする姿がそこ にある。  私が既存の政治に絶望する理由がそこにある。  もう一つの政治、もう一つの日本をつくるしかない、と思う理由が そこにある。                           了

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