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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

タブー視された忌野清志郎の反原発ソング  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月31日発行 第218号 ■     ==================================================================   タブー視された忌野清志郎の反原発ソング          ==================================================================  3月29日の東京新聞に興味深い記事を見つけた。  今度の原発事故がきっかけで、人気ロック歌手の故・忌野清志郎が 23年前につくった反原発ソング「サマータイム・ブルース」がにわ かに脚光を浴びている、という記事だ。  その歌は、米国のロック歌手、エディ・コクランの同名曲のメロ ディーに、忌野がオリジナルの日本語歌詞をつけた作品であるという。  88年といえば86年のチェルノブイリ原発事故によって世界的な 反核、反原発気運が高まっていた時だ。  その流れのなかで出来た歌だという。  しかし、私がその記事に注目したのは、その歌のことではない。  その歌が収録されたアルバムが、忌避され、突然発売中止に追い込 まれたという事実である。  東京新聞のその記事は、この突然の発売中止の背景として次のよう に書いている。  「・・・発売元の東芝EMIは当時、中止の理由についてノーコメ ントを繰り返したが、音楽関係者の間では、EMIに出資する日本の 原子力産業の有力グループ・東芝との関連が取り沙汰された・・・ 二十数年間、原発問題が日本の音楽産業で『タブー視』されてきたこと の裏返しでもある・・・」  読者のみなさんは自分の言動がタブー視されたり排斥されたりした 体験をお持ちだろうか。  自分の存在が国家権力や体制から忌避され、疎外された体験をお持 ちだろうか。  その事を知った時、いかに疎外感や重圧感を感じるかを知っているか。  原発反対に限らない。  この世の中は金と権力に任せて個人の自由を封殺する事が平然と 行われている。  その圧力の前に、大抵の者はひるんでしまう。口を閉じてしまう。  原発推進の裏にあるこのようなエピソードは、はからずもこの国の最も 卑劣な側面をあぶりだしている。  そういう国は変えなければいけない。  そういう社会は我々の手で変えていかなければいけない。                            了

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