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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

それでも揺るがない原発推進派学者たち(最終回)  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月29日発行 第212号 ■     ==================================================================   それでも揺るがない原発推進派学者たち(最終回)          ==================================================================  アエラの記事は決して私の言うような事までは書いていない。  アエラの記事はこういう表現で終わっている。  すなわち今度の福島原発事故は、あらたな長い対立の始まりだ。 論争は終わらないだろう、と。  だからこの最終回で私が書くことは、アエラがあきらめた「論争の 決着」について、私なりの結論を出すことである。  原発の是非をめぐる永遠の論争に一つの終止符を打つための私の 勝手な提案である。  勝手な提案であるがそこに一つの真実があると思っている。  短い文章で私の思いのすべてを表現することは出来ないので、後は 読者の想像力に委ねたい。  読者がその考えをより具体的、科学的に表現してくれることを期待 する。  原発政策が政治的判断の問題であり、そして政治判断というものが 常に強者の論理によって決められるものであるとすれば、原発はなく ならないと思う。  主客が入れ代わる本物の革命政権が起こらない限りそれは無理だ。  そして市民派の菅民主党政権が出来ても、権力構造が微動だにしな かった事を我々は目撃した。  おそらく日本国民は革命を望まない国民かもしれない。  そしてその事を私はとやかく言うつもりはない。  しかし、もしそうであれば、せめて国民に選択権を与えるような 政策が打ち出せないものかと思う。  すなわち、日本国民の多くが経済発展や競争至上主義の生き方を 選び、それを実現する政策を進める政権がこの国で政権を取り続ける としても、それは国民が選ぶ一つの選択だ。  しかし、たとえそうであるとしても、これからの政権は、そうで ない生き方をしたいという国民についてもまた、その生き方を尊重 する政権でなくてはならない。  少数者の意見を実現できる仕組みを保証、奨励する政策を認める 政権であるべきだ。  しかもそれを、少数派たちへの配慮といった限定的なものでは なく、少数派もまた多数者と対等な日本国民であるという認識の下に、 これまでのどの政権も取りえなかったほど大胆に、そういう政策を 取るべきだ。  話を電力に限ってみる。  経済成長や利益拡大を目指す大企業にとっては大量の電力の安定 供給は必要だ。  そのために原発が欠かせないというのであれば、それもいいだろう。  原発事故の危険性をこれ以上ないほど極小化し、住民の納得を前提 に継続していく事は認められていい。  しかし同時にまた今度の原発事故を契機に、我々一人一人が生きて いくためには大量の電力は必要ない。自分たちにはもっとふさわしい 発電方法がある。  それで生活できるような日本もまた認められるべきなのである。  これまでは電力会社の利益確保のために、それらの電源開発努力が 押しつぶされてきた。  この機会にそれを国民に電源多様化の開放努力を解放するのだ。  いや解放にとどまる事無く、それらの電源開発を支援して、個人が より安い、環境にやさしい電力を手にする事のできるような日本を実現 するのだ。  つまりもう一つの生き方を認めるのである。  もう一つの日本を認めるのである。  そこに無限の可能性が広がる。  それこそが菅首相が掲げる「最小不幸社会の実現」の政治ではない のか。  福島原発から立ち直る最短の道はもう一つの日本を認める事である。                             完

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