□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月24日発行 第46号 ■ ============================================================= 読売新聞から助言を受けた前原外相 ============================================================== この記事には笑ってしまった。 1月23日の読売新聞「政なび」というコラムで、飯塚恵子政治部次長 が前原外相に対し「はやる心は抑えて」と題してこう書いていた。 米国は、前原氏の登場を歓迎している。米政府筋は「ヒラリーは率直な マエハラがお気に入り」と話す。ワシントン・ポスト紙は10日付の論文 で前原氏を「将来の首相」と持ち上げた。菅首相が鳩山前首相の路線から 決別し、日米基軸への回帰を鮮明にした今、前原氏にすればやっと本領発揮 のチャンスがめぐってきた心境だろう。 だが好事魔多し・・・前原氏に肝に銘じて欲しいのは、一人で先走らず、 周りの意見に耳を傾け、常に国益を考えて冷静に判断する、ということだ・・ 飯塚恵子という政治部次長が前原氏に惚れ込んでいるのかどうかは 知らない。 しかし読売新聞の社是を考えると、前原氏が日本の首相になって日米同盟 重視の政策をどんどんと進めて行ってもらいたいと思っている事は間違い ないだろう。 だからこの記事は前原氏を首相にさせるために、助言を与える記事なのだ。 それにも関わらず、この記事は、このままでは前原氏は危うい、と言って いるように聞こえるから不思議だ。 そこで取り上げているのは前原氏が先日発言した拉致問題についての発言だ。 昨年11月5日の夜に、前原外相が拉致被害者、有本恵子さんの両親を神戸 市内のホテルに呼んで拉致問題打開についての並々ならぬ意欲を伝えたという。 そんなエピソードを紹介した上で、拉致被害者に寄せる熱い思いは本物だ とする。 しかし、はやる心は抑えてほしい、と助言する。 それに付け足して、かつての偽メール問題で代表を辞任せざるを得なかった 判断ミスや、最近では、辺野古移転が出来なければ普天間基地が継続使用 される、と不用意に発言をして沖縄の反発をかった例を引き合いに出して、 とにかく冷静に、冷静に、と呼びかけている。 ここまで書かれると、私でなくとも、やはり前原氏では危ない、という気に させられる。 私は前原氏の首相はないと思っている。 世間が考えるほど前原氏は米国を理解していない。 世間が考えるほど米国は前原氏を評価していない。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)