□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月24日発行 第47号 ■ ============================================================= 北洋漁業不正問題に関するその後の報道から見えるもの ============================================================== 産経新聞の社説に触発されたかどうかは知らないが、日露政府が違法操業 について初協議をしたと1月22日の読売新聞が報じた。 しかしその記事を読んで見ると「初協議」というには程遠い内容だ。 在露大使館員が21日にロシア漁業庁を訪れて、水産庁の調査結果などに ついて説明しただけなのだ。 産経新聞の社説を意識したかどうかは知らないが、朝日新聞が1月23日 の社説でやっと北洋漁業不正問題を取り上げた。 しかし、そこに書かれている内容は、日本政府と韓国政府の日露漁業交渉 に取り組む熱意の大きな違いである。 すなわち韓国は、ロシア排他的経済水域(EEZ)における韓国漁船の スケトウダラ漁獲枠を、07年の倍以上に増やす事でロシア側と合意した という。 李明博大統領はロシア首脳との会談のたびに漁業協力問題を取り上げ、 漁獲枠倍増をロシアに認めさせたという。 これらの二つの記事がいみじくも示している事は、日本政府の外交姿勢が 国民の利益を本気で守ろうとしていないということだ。 その基本姿勢は、対米従属外交を頂点としてあらゆる外交に及んでいる。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)