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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月12日発行 第20号 ■    =============================================================   オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ、オスプレイ        ===============================================================  いきなり呪文のような言葉を繰り返して恐縮だが、私の頭が狂った のではない。  オスプレイとは米国4軍共同の主力輸送機である垂直離着陸ヘリコプ ターのことである。  この聞きなれない言葉こそ、普天間飛行場の辺野古移設問題の前に 立ちふさがる最強の抵抗者となるかもしれない。  そうなって欲しい。これから始まる外務・防衛担当協議(2プラス2) での最大の難題となって菅民主党政権を追い詰めて欲しい。  大問題となって、国民の目からこの言葉を遠ざけようとしている日本の 大手メディアが、嫌でもこの言葉を頻繁に使わざるを得なくなるように なって欲しい。  そう願ってこの言葉を呪文のように唱えてみたのである。  岡田幹事長は1月10日、沖縄を訪問して次のように述べたという( 読売)  「皆さんの気持ちを考えると簡単に日米合意を実現できる状況にない」 、と。  白々しいとはこのことだ。  日米合意が容易に実現出来ない理由は、沖縄県民が反対しているからで はない。  米国が無理難題を次々と日本に突きつけてくるからである。  いったん合意した日米合意について再交渉をせざるを得ないからだ。  その交渉は面倒な交渉になるからだ。  再交渉のテーマの一つがグアム移転経費の日本の増額負担であることを 私は繰り返して指摘してきた。  しかし実はもっと日本政府の頭を悩ます交渉ごとがある。  それがオスプレイの沖縄配備である。  大手新聞は決して書こうとしないが、発売中のサンデー毎日1月23日号 「激闘永田町」で石森孝憲氏が見事にこのオスプレイ問題の深刻性を指摘 していた。  米国は2012年にオスプレイを普天間に配備する予定だった。  しかしオスプレイは墜落事故を繰り返す最も危険な輸送機だ。  世界で最も危険な飛行場である普天間基地に、世界で最も危険なオスプレイ を配備することは、さすがの米国もためらう。  事故が起きたら今度こそ沖縄に米軍基地反対の怒りが爆発する。  日米同盟の根幹を揺るがしかねない。  だからなんとしてでも辺野古代替基地へあらたに飛行場を作るしかない。  それが、米国が辺野古への飛行場移転に固執する理由だ。  しかし、沖縄県民の負担軽減、危険除去、を繰り返す日本政府にとって、 そんな危険なオスプレイ受け入れを正式に認める訳にはいかない。  辺野古移転交渉の際に、滑走路の工法や規模について、何時までたっても 最終合意ができない理由がそこにあった。  それを一番知っているのはこの間まで外務大臣であった岡田幹事長だ。  岡田幹事長は外務大臣の当時、米国からオスプレイの受け入れについて、 そろそろ国民に説明しろ、いつまでも隠し続けるわけにはいかないだろう、 と迫られたことがある。  それにもかかわらず当時岡田外相は沖縄県民に対して明確にこれを受け入 れるとは断言していない。できなかった。  繰り返して言う。  簡単に日米合意が実現できる見通しではない、と岡田幹事長が言った真の 理由は、ここにある。  これから始まる2プラス2に注目せよ。  それはいつものように官僚同士で秘密裏に行なわれるだろう。  しかしいつかは国民に明らかにしなければならない。沖縄県民に理解を求め なければいけない。  普天間問題の日米合意は春までにまとまらないのではないか。  それは取りも直さず菅首相の訪米に赤信号がともるということだ。  私はそれを願っている。  それを願ってオスプレイ、オスプレイ、オスプレイと呪文の如く唱えるの である。  もっともサンデー毎日のその記事は次のような言葉で締めくくっている。  「・・・その前に首相が菅のままなのかも危ういのだが・・・」                                 了。

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