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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

小沢一郎は民主党を離党してはいけない   
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年12月28日発行 第281号 ■       ===============================================================   小沢一郎は民主党を離党してはいけない        ===============================================================  久しぶりに政局について書いてみる。今年最後の政局に関するメルマガ である。  どうやら菅首相と小沢一郎の戦いは考えられる最悪の状況となって来年 早々に大団円を迎える見通しとなった。  私はそれを歓迎する。  すべての既存政党、政治家を否定する私にとっては、これ以上ないほどの 政治混乱が起きて、日本の政治が根本的に変わらなければならないと国民は 救われない、と考えるからだ。  その為には小沢一郎は何があっても離党をせず民主党にとどまるべきだ。  その事について書いてみる。  政権交代を期待した国民を最終的に裏切ったのは菅・仙谷民主党政権である。  確かに鳩山政権は普天間基地問題で国民を裏切った。対米従属に屈した。  しかし、それでもまだ革命政権を目指す気持ちはあった。  頼りなく、ろくな側近がいなかった事は間違いないが、まだ完全に国民を 裏切るところまではいかなかった。  しかし鳩山政権を受け継いだ菅・仙谷民主党政権は、対米従属をさらに加速 させただけでなく、官僚支配を復活させ、消費税導入を不可避とし、大企業に 迎合し、情報公開を拒み、地方分権を停滞させ、格差社会をさらに進める、 など、国民に約束したマニフェストの殆どすべてを捨てた。  この裏切りは万死に値する。  それでは、国民が期待した政治をこれから誰がどのように実現するのか、 できるのか。  そこが唯一、最大の問題である。  それは菅・仙谷民主党政権が脱小沢で連立を組む事ではない。  小沢が今すぐ民主党を離党して新党をつくる事ではない。  ましてや自民党の復活ではない。  みんなの党が政権政党になることではない。  本来ならば護憲政党が解体し、自民党でも民主党でもみんなの党でもない 第4の党となって政治の対立軸がはっきりする事が望ましい。  しかしその可能性は絶無だ。彼らにその覚悟も器量も見られない。  そうであれば、国民の期待を受けて政権交代を果たした民主党が、もう一度 マニフェストの原点に戻って革命的な政策を行なうことしかない。  それには、それを唱える小沢一郎が民主党にとどまって民主党を立て直す ほかはない。  ここまでは誰でも考える、言える。  問題は、そのような民主党、つまり指導者を菅・仙谷から小沢に変えて一致 団結する民主党に戻れるか、ということだ。  現実にはそれは不可能であると思う。  菅・仙谷と小沢の対立はそれほど深く、大きなものとなっている。  そして、その責任は小沢を切り捨てようとした菅・仙谷の側にある。  小沢の「政治とカネ」の問題は確かにある。  しかしそれ以前から仙谷や松下政経塾派の反小沢対立はあった。  政権欲の強い菅が、そっちについて「小沢引っ込んでいろ。そのほうが 民主党のためにも国民のためにもいい」と言った。  これは人の道に外れた言葉だ。民主党の亀裂のすべてはここから始まった。  もう一度繰り返す。  政権交代を願った国民にとっては、民主党が政権交代前の民主党の公約に 立ち返って国民のための政治を実現することが一番だ。  それを一貫して明確に発言しているのが小沢である以上、民主党は小沢を 排除するのではなく、小沢を使ってそれをやらせる、そういう民主党に戻ら なければならない。  残念ながら菅・仙谷は小沢斬りに固執するだろう。離党勧告をするかも しれない。  小沢は離党してはいけない。  小沢が民主党政権を維持して国民の為の政治を実現すると考えるなら、 民主党の中にあって正しい政策を訴え続けなければいけない。  そうすると何が起きるか。  菅・仙谷民主党政権は行き詰まって解散総選挙しかない。  どんなに菅首相が解散をしないといっても、国会運営が出来なければ、法案 が一つも通らなくなれば、解散か総辞職しかない。  菅首相はもちろん解散を選ぶ。  世論調査によれば解散総選挙を望む声が大多数だ。  菅・小沢対立が来年に入っても激化すれば、更に多くの国民が解散総選挙を 要求するだろう。  その時こそ、政党が乱れての乱戦選挙になる。  選挙の後の政界大再編が起きるかもしれない。  小沢新党が生まれ、小沢新党を中心とした連立政権ができるかもしれない。  私はそれを期待する。  私が小沢一郎をここまで支持するのはもちろん大前提がある。  それは小沢一郎が言行一致の政治家であるという大前提だ。  小沢一郎による政権が、今までのどの指導者も出来なかった国民生活 最優先の政治を実現する、少なくともそれを試みる政権である、という 大前提だ。  果たして小沢一郎はそういう政治家であるのか。そういう小沢新党が うまれるのか。そして小沢連立政権が出来るのか。それが国民のための 政治を実現するのか、できるのか。  それを私は来年この目で見極めたい。  来年を日本の政治の元年にしたい。  小沢一郎は、その政権をつくるまで、何があっても離党してはいけない。                               了

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