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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

戦争の真っ只中で行われる事になった沖縄知事選の歴史的意義
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月25日発行第222号 ■       ===============================================================         戦争の真っ只中で行われる事になった沖縄知事選の歴史的意義     ===============================================================    絶妙のタイミングで起きた北朝鮮の韓国攻撃だ。  ただでさえ外交センスのない菅・仙谷民主党政権だ。おまけに政治的には 機能を失った弱体政権だ。  北朝鮮の暴挙に怒りおののく世論の前に、いきおい強硬姿勢をとらざるを 得ない。  野党もまた非常事態だから政治休戦に応じざるを得ない。こんな時に政局を 優先していては国民から非難される。  菅・仙谷民主党政権にとっては神風だ。これで逆風をかわせる。  案の定、菅首相は与野党一致してこの緊急事態を乗り切ろうと呼びかけた。 北朝鮮の暴挙に厳しい態度でのぞむ、と気勢をあげた。  あまりの北朝鮮の暴挙だ。異論は出てこない。平和を訴えるべき護憲政党も 沈黙せざるをえない。  このような異常事態の中で沖縄知事選挙が行なわれるのだ。  日米同盟からの自立を訴え、在日米軍の撤退を訴える伊波候補は、にわかに 不利な立場に追い込まれる。  北朝鮮と言うならずもの国家が民間人の犠牲者もいとわず軍事攻撃を行なった。  そんな時に、日本を守ってくれる在日米軍に出て行けなどとどうして言え ようか。日米同盟に反対する伊波候補なんかに投票していいのか、という事に なる。  あまりに出来すぎた話だ。絶妙のタイミングだ。  これは米国の陰謀だ。日本を米国に従属させ続けるための仕組まれた攻撃だ。 そういう声がでてきてもおかしくない。  しかし、である。  ここからが私が言いたい事である。  ピンチこそチャンスなのだ。  北朝鮮包囲網のメディアの中で、誰一人平和の重要性を口に出さない。  平和を望む国民は多いはずなのに、メディアに登場する政治家や官僚や タカ派論客はもちろんの事、リベラル派、護憲派と目される評論家や言論人で さえ、戦争をエスカレートさせてはいけない、と明言する者はいない。  誰も言わないから私は言うのだ。  戦争を軽々しく考えるな。何があってもこれ以上の戦況の悪化は避けるべき だ、と。  それを訴える事のできる国は日本をおいて他にない。  だから私は菅直人首相に助言をした。最善の策を教えた。  いまこそ日本は北朝鮮と国交正常化の交渉を始めろ、と。  残念ながら、菅直人首相には聞こえないだろう。  外交的センスのない菅首相には私の言っている事が理解できないであろう。  石にかじりついても総理を続けたいと公言する菅首相には米国の意向に背く 事は決してしないであろう。  しかし沖縄住民は違う。  日本の首相は米国に反対すれば首相でいられなくなるかもしれない。しかし 沖縄住民は違う。  米国にとって日本の政治家や官僚やメディアを屈服させることは朝飯前かも しれない。しかし米国は沖縄住民の声を押しつぶす事はできない。  米軍の犠牲になってきた沖縄。在日米軍に悩まされ続けてきた沖縄。なに よりも米軍の危険性を誰よりも知っている沖縄。  その沖縄の住民が、朝鮮半島が戦争状態の中にあって、なお、在日米軍は 不要だ、危険だ、平和の敵だ、米軍がいるからこそ危険なのだ、という声を 世界に向かってあげたとしたらどうか。  世界は驚嘆し、そして米軍の犠牲になってきたおびただしい数の国々は、 喝采の声を上げるだろう。  北朝鮮の今回の攻撃は暴挙だ。いかなる意味でも正当化できない。  しかし朝鮮半島は過去60年間、ずっと戦争中なのだ。  平和な日本では気づかないが朝鮮戦争は終わっていないのだ。  そして戦争はすべて暴挙だ。  北朝鮮の暴挙の裏には、その暴挙を誘うもう一つの暴挙がある。  それが北朝鮮の沿岸の目と鼻の先に一方的に設定された北方限界線である。  その北方限界線の近辺で繰り返されてきた米韓合同軍事演習である。  北朝鮮はそれに警告を発した。それでも米韓合同演習は繰り返された。  そしてまた11月28日にはさらなる米韓軍事演習を行なうという。  狂気の沙汰だ。戦争をエスカレートすると言っているようなものだ。  「何倍もの仕返しをする」と言った李明博韓国大統領は愚かだ。  これでは北朝鮮と同じだ。一国の指導者が口に出してはいけない言葉だ。  戦争が始まった今、戦争を拡大するような挑発的な言辞を繰り返してどう する。同胞同士が殺しあって何になる。  誰も平和の大切さを口にしない中での沖縄知事選において、それでも在日 米軍は要らないと訴える伊波候補が勝てばどうか。  米国の不法な戦争に待ったをかける意思表示となる。  沖縄県民よ。いまこそ平和を願う沖縄の心を世界に示して欲しい。  日米同盟からの決別を訴える伊波候補を勝たせて欲しい。  そして、平和を願う日本の国民は、今こそ平和を願う沖縄県民を応援して 声をあげよう。  今回の沖縄知事選挙は、はからずも北朝鮮の攻撃の中で行なわれる歴史的な 選挙となる。  その選挙において、日米同盟は要らないと訴える伊波候補を勝たせるのだ。  伊波候補の勝利は日本の夜明けとなる。  平和な世界に貢献できる日本が誕生する事になる。  ピンチはチャンスである。                            了   

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