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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

最高裁の民主化こそ日本の民主化である
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2010年10月20日発行第155号 ■       ===============================================================             最高裁の民主化こそ日本の民主化である     ===============================================================  一般の国民にはほとんど知られていないが、この国の最高裁判所こそ 日本の司法制度の諸悪の根源なのである。  三権の長はこの国の最高権力者だ。お互いに対等の独立性を持つ。  給与や待遇も最高だ。  しかし首相や国会議長が国民から選ばれた政治家であるのに対し、最高裁 長官は、近年はほとんど裁判官という名の司法官僚から選ばれている。  その官僚が絶大な権限を有してこの国の司法を壟断しているのだ。  辞書を引いてみていただきたい。壟断とはまさしく今の最高裁のために あるような言葉だ。  10月19日に日刊ゲンダイにジャーナリストの魚住昭氏が次のように 書いている。 「特捜検察が暴走するのは、裁判所にも問題があります。これまで特捜部の 取調べを受けた被疑者が、どんなに取り調べの酷さを訴えても裁判所は耳を 貸そうとしうなかった。痛切な叫びをほとんど無視してきたのが実情です。  なぜ裁判所は無視してきたのか。ひとつには、同じ司法試験を通った仲間 である検察官が、そんな酷いことをするはずがないと思い込んできたことが あります。  もうひとつは、検察の酷い調べを取り上げ、被疑者を無罪にすることなど、 検察に不利な判決を下すと、最高裁からバッテンをつけられて地方にとばされ、 一生うだつの上がらないドサ回りをやらされるという恐怖感が裁判官にある からです・・・」  この言葉が最高裁の独裁性のすべてを物語っている。  この国の裁判官はすべて最高裁を向いて仕事をしているのだ。  小沢一郎の闘いが司法闘争となった今、小沢の命運は最高裁が握っている。  その最高裁の今の長官は竹崎博允という司法官僚だ。  最高裁の判事の中から選ばれるという慣例を破って、東京高裁裁判長から いきなり最高裁長官に抜擢された人物だ。  その理由が、自らも手がけた司法改革をこの国に定着させるためだと当時 報道されていた。  検察審査会がかくも強い権限を持つようになったのもこの司法改革だった。  竹崎最高裁長官を誰も牽制する事はできない。  先の衆院選挙で行なわれた国民審査での竹崎裁判官へ不信任率はわずか 6.25%である。  すなわち国民は何もわからずに竹崎最高裁長官を信認してしまったのだ。  もはや彼の在任中に二度と国民投票は行なわれない。  代表選を競ってこの国の首相になるかもしれなかった政治家の命運が、 国民の手の届かない司法官僚によって左右されようとしている。  しかし最高裁もまた世論を気にする。  我々国民は最高裁を監視するのだ。  最高裁がこれまでどれだけの害を国民に与えてきたかを。  古くは米国に従属して憲法9条違反の訴訟をことごとく門前払いしてきた。  国民の一票の格差を認めてきたのは最高裁だ。  国際法に反するイラク戦争に賛成し、憲法9条違反を犯して自衛隊を戦地 に派遣した外務事務次官が、司法試験に合格もしていないのに最高裁判事に 天下っている。  何よりも最高裁にまで裏金疑惑が及んでいると告発されている。  いまこそ国民は最高裁のいかがわしさに目を向ける時である。  小沢一郎の政治生命をかけた闘いは、はからずも最高裁の違憲性をあぶり だしてくれた。  最高裁の民主化こそこの国の民主化なのである。                                        小沢訴訟の行方から目が放せないもう一つの理由がそこにある。                                了

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