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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

顔の見えない「国民」に権力を持たせる危険性   
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年10月13日発行第144号 ■       ===============================================================             顔の見えない「国民」に権力を持たせる危険性      ===============================================================  国民参加といえば民主的だということになる。  その思い刷り込みを最も利用しているのが菅首相だ。  国会答弁などで二言目にはこの言葉を繰り返す。  一般的にはそうだ。決して間違ってはいない。  しかし問題は国民とはなにか。国民の声を表す「民意」とはなにかである。  その事を突き詰めて考える重要性に気づかせてくれたのが検察審査会で示さ れた「民意」である。  一切が不明な平均年齢30歳余の抽選で選ばれた「民意」が、政権政党の 代表的政治家の政治生命を奪う。  そんな大きな権限を行使しても、その「国民」は何の責任も問われない。  その「民意」が今度は我々の血税から由来する国家予算の奪い合いを行なう のだ。  民主党政権になって初めての予算編成が今年中にも行なわれる。  その予算決定作業の目玉が、民主党政権が導入した「政策コンテスト」なる 手法だ。  予算要求に際してパブリックコメント(意見公募)という名の、国民からの 陳情を受け付け、それを踏まえて、官僚がそのメンバーを選ぶ評価会議で 優先順位をつけて決めるという。  その公募の締め切りは10月19日であるらしいが、すでに1万5千件を 超えた要望が寄せられているという(10月13日産経新聞)。  ところが、その1万5千件の要望はどのような「国民」から寄せられている のか不明である。我々は知る由もない。  もしその公募の多くが、様々な利益団体が組織ぐるみで申しこんでいるもの であるとすればどうか。  その利益集団が、やがて評価会議に対し陳情し、影響力を及ぼすとすれば どうか。  結局は利益集団の間の予算分捕りに終わってしまう。  我々は公募の要求によって決められた予算については、その必要性とともに、 いかなる人物、組織がその予算要求を公募したかについても、十分な説明を 政府から受けなければならないと思う。  メディアはこの事を調べた上で、読者に伝えなければならないと思う。                                                                          了

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