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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

自民党稲田朋美議員の代表質問に完敗した菅民主党首相
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年10月6日発行第131号 ■       ===============================================================             自民党稲田朋美議員の代表質問に完敗した菅民主党首相      ===============================================================  久しぶりに代表質問らしいものを聞いた。10月6日の午後に行なわれた 衆院代表質問における自民党稲田朋美議員の質問がそれだ。  この稲田氏の質問とそれに対する菅首相の答弁ぶりについてはこれからの 国会審議の帰趨を決める重要なものとなるであろう。  明日(7日)の各紙にも様々な政治論評がなされるであろう。  だからその前に、私の評価とこの質問が日本の今後の政局に与えざるを得 ない影響について書いておきたい。   稲田氏の考えは、今の日本の政治のなかでも、最も保守・国家主義的な考えで あり私の考えとは基本的なところで大きく異なる。  しかしその立場の違いにもかかわらず、今日の彼女の代表質問は見事だった。  菅民主党首相にぶつけた質問事項のすべては、いずれも現下の重要な問題で あり国民の多くが菅首相に聞いてみたいと思っている事柄だった。  一切の馴れ合いを排し、周到に準備された自分の言葉で菅民主党政権の政策 の弱点や、民主党という政党が抱えている矛盾を見事についた。  民主党攻撃材料のすべてがその中にあった。  これこそが野党の代表質問である。  トップバッターで質問した自民党党首の谷垣氏の代表質問があまりにも凡庸 であった為そのするどさが際立った。  テレビに映し出される菅首相や閣僚の顔が真剣になり、やがて当惑に変わっ た。議員席の民主党政治家たちが野次を忘れたかのように聞き入っていた。  自民党の席からは拍手が止まず、無能なベテラン政治家が感心し、多くの 議員が溜飲を下げて活気づいた。  私はその稲田氏の質問を聞きながら菅首相はどう答弁するのだろうかと、 そればかりを考えていた。  そして菅首相の答弁を聞いて失望した。  「私も野党時代は激しい質問をしたが、これほど汚い言葉で質問をしたこと はなかった」などという言葉で応酬したつもりの菅首相の答弁は、あらかじめ 用意された官僚答弁の棒読みに終始した言い訳ばかりだった。  あげくの果てに、質問中に稲田議員が発した「官僚の書いたものを読み上げ るのではなく総理自身の言葉で答弁願いたい」という言葉に言及して、 「そんな事をいうのなら自分も原稿なしで質問したらどうか」などという捨て ゼリフを吐いて、その答弁を終えた。  誰が聞いても菅首相の完敗であった。  この稲田議員と菅首相の答弁で国会は閉会した。  自民党にとっては溜飲を下げたものに終わり、民主党にとっては後味の悪い ものに終わった。  今夜の様々な場所で繰り広げられる与野党の会食の席ではさぞかしこの話で 持ちきりだろう。  菅首相は堂々と受けて立ち、自らの言葉で自分の国家観、政治観を語るべき だった。  私だったら、ここが正念場とわきまえて、自分の持てる政治家のすべてを この瞬間に集中させ、名答弁をするように頑張っただろう。  そうすることによって民主党政権は政権政党であるという存在感を国民に 示せる。そうすることによってのみ菅首相はこれからの国会を乗り切れるのだ。  ところがそうではなかった。  国会初日のこの代表質問のやり取りは象徴的である。菅首相はこれから 始まる国会で苦しむ事になるだろう。  自民党はこの際世代交代を一気に進め稲田氏のような論客を前面に押し出して 本物の国会質問を行なうことだ。そうすれば菅・仙谷民主党政権を追い込むこと ができるだろう。  民主党の最大のアキレス腱は、この稲田議員のような考え方に共鳴する若い 議員が多数存在するということだ。  いま解散・総選挙をすれば自民党は躍進するに違いない。  その前に民主党が分裂し、若い世代たちが中心となる政権再編が起きるだろう。  その動きは保守政党の時代へとつながっていく。  政治は混沌とした時代に突入しつつある。  それを予感させた稲田質問であった。                                    了   おしらせ                                                                                              1.日経ビジネスオンラインの記事  9月29日に私の「新防衛計画の大綱私案」が掲載され反響を呼んでいます。  オンラインはこちらでお読みいただけます。  http://business.nikkeibp.co.jp/  2.ベンジャミン・フルフォードと天木直人の共同講演会のお知らせ                  記 テーマ:民主党政権に任せたら日本はどうなる?今すぐ日本を良くする処方箋 (構成: 天木直人講演、ベンジャミン・フルフォード講演、ベンジャミン VS天木氏による対談、質疑応答) 日時: 2010年10月9日(土) 14:00~17:00(受付は 13時半から) 場所: 千駄ヶ谷区民会館 2F (東京都渋谷区神宮前1-1-10) アクセス: JR山の手線 原宿駅「竹下口」 徒歩6分  費用:  3000円 (学生2000円) 申し込み方法: 氏名、連絡先 、参加人数、支払い方法(持参又は振込み) を明記の上、     メール(benjaminoffice88@gmail.com)にてお申し込み下さい。 問い合わせ先: ベンジャミン・フルフォード事務所 (benjaminoffice88@gmail.com) 3.軍事評論家 潮匡人氏(元航空自衛隊三等空佐)と討論会のおしらせ                 この講演会はたちまち定員が超過したので主催者側から応募を締め切った との連絡を受けました。ご了解下さい。  なお主催者は、「埼玉青年商工会議所主催」と書きましたが、正確には 「日本青年会議所埼玉ブロック協議会主催」であると訂正の申し入れが ありましたのでお詫びと訂正させていただきます。  念のため問い合わせ先は次のとおりです。    公益社団法人日本青年会議所 埼玉ブロック協議会        組織連携推進委員会 担当宛         saitama.bloc@gmail.com                                                                 

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