□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年10月6日発行第131号 ■ =============================================================== アリバイづくり外交に終始する菅・仙谷民主党政権 =============================================================== 菅首相のベルギーにおける日中「廊下」首脳会談が各紙を賑わせている。 肝心のASEM首脳会談の意義や、その会議において菅首相がどのような 貢献をしたかはそっちのけで日中首脳会談のことばかりを報じている。 それはいいとしても、嘘を書いては読者を欺く事になる。 この首脳会談によって、「とりあえず日中首脳は関係改善で一致した」と 各紙はこぞって報じている。 しかしそれは本当なのか。 産経新聞だけが10月6日の一面トップでこう全面否定している。 自画自賛の「茶番会談」だ、と 偶然をよそおった廊下会談で、しかもまともな通訳もなしの25分の会談で、 何が「両者とも今の状況では好ましくないということで、戦略的互恵関係を 進展させることを確認した」(菅首相の会談後の発言)、だ。 領土問題もガス田開発問題も何も議論していないではないか、と。 これが日中「廊下」首脳会談の実体なのだ。誰もが内心そう思っている。 「対中外交に無策だ」と世論から批判される事を避けるために最初から周到 に準備されたアリバイづくりの外交、これが「廊下」会談の正しい呼称である。 こんなアリバイづくり外交に狂奔する国など世界でもないだろう。 いや、日本外交でさえここまで露骨な事はしなかった。 それが顕著に見られるようになったのは拉致問題で外交が行き詰まった時 からだ。 批判を恐れた外務官僚が、北朝鮮代表との会談ができなかったという批判を 恐れ、歩きざまに北朝鮮代表の袖をつかんで無理やり言葉を交わし、それを 帰国後記者会見で「日朝協議」ができたと強弁した事があった。 外務官僚が保身のためにそのような小細工を行う事は理解できる。 しかし今回の「廊下」首脳会談は、日中関係をこれ以上悪化させては政権が 持たないという菅・仙谷民主党政権の危機意識からくる官邸主導だった、と いう見方がもっぱらだ。 政治主導を掲げて出発した民主党政権が、官僚顔負けのアリバイ外交をやる ようではお終いである。 実はこの産経新聞の菅・仙谷外交批判についてはおまけがある。 産経新聞は10月5日の一面で「(小沢一郎の強制起訴は)仙谷の差し金だ。 いつも菅のいない時に重要な事が起きる。尖閣問題から目をそらそうとして いるんだろう」(小沢側近ベテラン議員)という記事を掲げた。 これに怒った仙谷官房長官はその日の記者会見で産経新聞を名指しで非難 した。 その仙谷官房長官を産経新聞は10月6日の「産経抄」で「小紙には厳しい 官房長官は、なぜか中国には優しい。さすがは全共闘運動にうつつを抜かした 人物だけのことはある」と切り捨てている。 小沢一郎たたきの急先鋒であった産経新聞は、小沢が終わったと見るや 菅・仙谷「左翼民主党政権」たたきの急先鋒に舵を切ったようだ。 産経新聞はわかりやすくていい。 了 おしらせ 1.日経ビジネスオンラインの記事 9月29日に私の「新防衛計画の大綱私案」が掲載され反響を呼んでいます。 オンラインはこちらでお読みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 2.ベンジャミン・フルフォードと天木直人の共同講演会のお知らせ 記 テーマ:民主党政権に任せたら日本はどうなる?今すぐ日本を良くする処方箋 (構成: 天木直人講演、ベンジャミン・フルフォード講演、ベンジャミン VS天木氏による対談、質疑応答) 日時: 2010年10月9日(土) 14:00~17:00(受付は 13時半から) 場所: 千駄ヶ谷区民会館 2F (東京都渋谷区神宮前1-1-10) アクセス: JR山の手線 原宿駅「竹下口」 徒歩6分 費用: 3000円 (学生2000円) 申し込み方法: 氏名、連絡先 、参加人数、支払い方法(持参又は振込み) を明記の上、 メール(benjaminoffice88@gmail.com)にてお申し込み下さい。 問い合わせ先: ベンジャミン・フルフォード事務所 (benjaminoffice88@gmail.com) 3.軍事評論家 潮匡人氏(元航空自衛隊三等空佐)と討論会のおしらせ この講演会はたちまち定員が超過したので主催者側から応募を締め切った との連絡を受けました。ご了解下さい。 なお主催者は、「埼玉青年商工会議所主催」と書きましたが、正確には 「日本青年会議所埼玉ブロック協議会主催」であると訂正の申し入れが ありましたのでお詫びと訂正させていただきます。 念のため問い合わせ先は次のとおりです。 公益社団法人日本青年会議所 埼玉ブロック協議会 組織連携推進委員会 担当宛 saitama.bloc@gmail.com
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天木直人(元外交官・作家)