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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

在沖縄米海兵隊の数さえわからない希薄な日米同盟
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年9月4日発行 第78号 ■        ===============================================================         在沖縄米海兵隊の数さえわからない希薄な日米同盟関係                                     ================================================================  国民の生活そっちのけで権力闘争をやっている場合か。そう国民は怒っている という。それがメディアで流される。  本気でそう思っている国民は馬鹿だ。不勉強だ。政策などには関心がないか、 あるいは政策を何もわかっていない連中だ。  立場こそ違え、あの小泉改革になだれを打った国民と同じだ。  あの時の国民は政策を語らない小泉首相の本質を何も理解していなかった。  小泉首相の唱える郵政改革など何の関心もなかった。  ここまで多くの国民が菅首相を選び小沢氏を嫌悪している光景はまるであの時 の光景のようだ。  確かに今我々の目の前で繰り広げられている事は壮大な権力闘争である。  しかしそれは明確な政策の対立軸をともなった権力闘争だ。これまでのどの 権力闘争とも異なる。  大げさに言えば戦後の日本政治の政治史上で初めて政策の違いが鮮明に対立 した権力闘争である。  だからどちらが勝つかによってその後の日本の方向が変わる。国民生活が 変わる。  すなわち米国、官僚、大手メディアの代弁者に豹変して自民党政権下の政策に 回帰した菅政権を認めるのか、  自民党から政権交代を果たした民主党の原点に戻って国民のための革命的政策 にもう一度挑戦する小沢氏を選ぶか、  その一大選択の選挙なのである。  権力闘争などやっている暇があるのなら目の前の諸問題を解決しろ、と叫ぶ 国民は小沢一郎を選ぶほかはないのだ。  果たして小沢一郎という政治家に日本が変えられるか。それはわからない。  しかしはっきりしている事は、菅民主党政権が続く限り何も変わらない、 それどころか自民党政権下よりも国民生活は苦しくなり、対米従属が進む、 ということである。  それでいいはずはない。  まだわずか3ヶ月である。もう少しやらせてみる必要があるという。  菅夫人も、「もう少しやらせてもらわないと。3ヶ月じゃなかなか変わら ない」と訴えている(9月2日毎日)らしい。  しかしそれは違う。  3ヶ月たてばすべてがわかる。3ヶ月で出来ないものは何年経っても出来ない のだ。  それでも代表選挙は無意味な権力争いだと主張する者たちに、そんな権力闘争 でも国民にとって役立つことはあるという事を教えたい。  9月4日の朝日新聞は「在沖縄海兵隊って何人?」という見出しで小沢氏 「現実2000人」、外相反論「1万人」、防衛相「4、5千人」という記事 を掲載していた。  すなわち、代表選のテレビ番組で小沢氏が「もう海兵隊の実戦部隊はいら ない。アメリカもいらないと思うから引き揚げている。今、現実には2千人 しかいない」としゃべったらしい。  それに対し、岡田外相がすぐに記者会見で、「事実と違う。今でも約1万人の 海兵隊が沖縄にいる」と批判した。  その一方で北沢防衛相は今年2月の講演で「沖縄の海兵隊は4、5千人だ」と 話しているという。  この三つの異なった数字を朝日の記事は茶化して書いているのだ。  しかし茶化している場合ではない。  政府の内部でここまで数字が違うのだ。  数字が違うという事は沖縄海兵隊の抑止力に直接関連する深刻な問題である。  しかし問題はそれにとどまらない。  日本に駐留する米海兵隊の思いやり予算をはじめとした在日米軍にかかわる 経費負担にも大きく影響してくる。  日本政府・官僚は、我が国の防衛政策の要である在日米軍、在沖縄海兵隊に 関し、ここまで情報不足なのである。  情報不足のまま、いや情報不足だからこそ、米国の要求だけは何でも丸呑み し、国民の税金を在日米軍絡みの予算であれば何でも優先して認めてきたのだ。  これが日米同盟の実態である。  それが分かっただけでも民主党の代表選挙は意味があったということだ。                                  了                        

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