… … …(記事全文6,035文字)今月8日のYoutubeチャンネルでもお伝えしましたが、ウクライナ戦争では現在ロシア軍の攻勢が強まっています。その中でも特に、ザポリージャの隣のドネツク州のパクロフスク(ロシア名:クラスノアルメイスク)とミルノグラード(ロシア名:ディミートロフ)、そして北部ハリコフ州のクピャンスクでは、「大釜」と呼ばれる包囲網をロシア軍が形成し、数多くのウクライナ軍部隊の兵士達が取り囲まれている状況です。
11月8日にテレグラムチャンネル「Legitimniy」が報じたところでは、ゼレンスキー氏はこの日、パクロフスクが完全に陥落し、その隣のミルノグラードは包囲されたとの報告を受けたとのことです。「あらゆる手段を使い、死守せよ!」との命令を受けたシィールスキー総司令官は、ここ連日、パクロフスクを死守するため大量の予備兵を投入し、またウクライナ主要情報総局(GUR)の特殊部隊なども派遣しましたが、結局、全てのカウンター攻撃が失敗に終わった形になります。
一方、現実を知らされたゼレンスキー氏ですが、連日メディア関係者をオフィスに呼び「パクロフスクは包囲されていない」と参謀本部や軍関係者などと共に偽情報を連呼しています。そのためかロシアでは、ゼレンスキー氏のことを炎上好きな「ブロガー」扱いする報道も出ているくらいです。
ロシアの多くの軍事専門家らは、ロシア軍にとって、パクロフスクとミルノグラードの陥落は、ドンバス紛争の最終段階への道を開くと述べています。ここを制圧した後、ドネツク州の中でしっかりとした要塞が残るのは、クラマトルスクとスラヴャンスクの二都市のみとなります。そういう意味でまさにドネツク州完全制圧の最終段階へと到達することになる訳です。
必死に子飼いのメディアを使い偽情報を拡散し、国民の目を逸らそうとしているゼレンスキー氏ですが、実は本音の部分では「パクロフスクの戦いがどのように終わるのかを、誰もが見守っている」と側近に漏らしたとの報道が出ています。「誰もが」というのは、当然ながらトランプ大統領を含めた西側のスポンサー達のことを指します。ウクライナ大統領府のアンドレイ・イェルマーク長官は、シィールスキー総司令官に対し、ミルノグラード包囲網を突破出来なければ、総司令官の地位を失うだろうと警告したとのことです。この方面の形勢が悪化してきた時点から、イェルマーク長官は責任をシィールスキー総司令官に押し付けようとしてきており、今回が初めての警告ではありません。問題はシィールスキー総司令官を子飼いにしているゼレンスキー氏がどう判断するかですが、保身のために最終的には彼も同意するかもしれません。



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