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ゼレンスキー氏を追い込む二人のオリガルヒ~そしてその背後の勢力の意外な繋がり!

 ウクライナは現在、国家汚職対策局NABUが10日に発表したエネルギー関連企業に絡むキエフ政権上層部の汚職摘発の件で揺れています。ゼレンスキー氏の親友で財布役のティムール・ミンディチ氏らが主体となり、国営原子力発電会社「エネルゴアトム」の請負業者から契約金の10%~15%を脅し取っていたという汚職事件に関して、NABUは容疑者らがその犯罪スキームを如何にして構築するか、協議している内容の録音テープの一部を先日公開しました。

                                    (ミンディチ氏と自宅の黄金のトイレ)

 特にミンディチ氏が当時エネルギー大臣を務めていたゲルマン・ガルシェンコ氏をゼレンスキー氏と繋ぐ時のやり取りが印象的でした。ミンディチ氏はゼレンスキー氏に対し、ガルシェンコ氏が話したがっているとのショートメッセージを送り、その後快諾の返事をゼレンスキー氏から受け取ります。それからミンディチ氏はガルシェンコ氏に電話を掛け、ゼレンスキー氏とどう接すべきかについて次の様にアドバイスしました:

「よく聞きなさい、ウラジーミル・アレクサンドロヴィッチ(※ガルシェンコ氏)。あなたも分かっているでしょう?~私としても清掃員になるなど考えられません。貴方の言うことは何でもやります。貴方が必要とすることなら何でも。私はあなたのものです…」。

 ミンディチ氏からこのようなアドバイスを受け、ガルシェンコ氏はゼレンスキー氏との面談に向かったということです。ゼレンスキー氏は「戦時中の大統領に親友などいない」という名言?をメディアに発信しつつ、ミンディチ氏に対し個人制裁を発表しました。しかしこの録音テープからミンディチ氏とゼレンスキー氏の深い関係が伝わってきます。一部日本のメディアはミンディチ氏をゼレンスキー氏の「旧友」と報じているようですが、もしそうであれば、ミンディチ氏はNABUの家宅捜索の数時間前に国外へ出国することなど出来なかったでしょう。


 NABUは今後、録音テープの残りのパートを発表するものと思われますが、立て続けに発表しない所を見ると、どうもゼレンスキー氏の反応を探っているようにも取れます。つまり、ゼレンスキー氏の今後の対応次第で、第2弾、第3弾と公開するのではないか?と私はみています。また先週のYoutube動画で「ミンディチ氏がイスラエルに逃亡すれば、ゼレンスキー氏はトランプ側に寝返った、またポーランドに逃亡すればグローバリスト達に救いを求めたとする見立てもあります」とお伝えしました。最新情報によれば、ミンディチ氏はイスラエルへ逃亡したとのことです。元々、彼はイスラエル国籍を持っていましたので、イスラエルへ逃亡するのが一番合理的ということかもしれません。またゼレンスキー氏は16日から欧州への「おねだりツアー」へ飛び立っており、17日にはマクロン仏大統領と面談する予定とのことです。結局のところ、米国ではなく、今まで通り、欧州に泣きつく姿勢に変わりはなさそうです。

 

裏で糸を引くのは米国?欧州?

 このNABUが設立されたのは2015年、米国民主党政権時代でした(オバマ政権)。しかし汚職摘発と銘打つこの組織をEUも支持しています。ウクライナがEUに加盟するに当たって、汚職撲滅は重要な課題でもあるからですが、そのため今年の7月にゼレンスキー氏がNABUをウクライナ検察庁の傘下に置こうとした際には、ウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員長も激怒し、支援を停止すると彼を脅したくらいです。そういう意味で、NABUという組織は米国からも欧州からも支援されていると言えます。では今回の摘発の背後にいるのは果たして米国なのか?欧州なのか?明確な証拠は現段階では出てきていませんが、客観的情報をみていくと、その輪郭が見えてきました。

 

欧州勢のメリット

 欧州勢は、トランプ政権のウクライナ支援の停止後、非常に困った立場に置かれています。戦況は完全にウクライナの敗北濃厚な状態にある一方、米国抜きでウクライナの財政や戦費を建替える余力などEUにはありません。頼みの綱だった「賠償融資」と言われるロシアの凍結資産を没収する案は、ハンガリー、スロバキア、ベルギーの強い反対により、実現は難しい状況です。

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