… … …(記事全文3,163文字)立花孝志・NHKから国民を守る党党首(57)が30歳の無職の男にナタで切り付けられ、耳や頭、首を切られ、3週間の重傷を負った。驚いたのは、その翌日に報じられたTBSの「報道特集」の偏向ぶり、冷血ぶりである。仮にも立花氏は千葉県知事選に出馬している。その投開票日前日の午後5時半から全国放送される番組で、立花氏がまるで竹内英明県議=2025年1月に死去=を死に追いやったかのような報道を、立花氏が暴漢に襲われた翌日にも性懲りもなく続けているのである。
立花氏が襲われた14日午後5時過ぎ。僕は現場から100メートルも離れていないところにいた。財務省前で行われた「財務省解体デモ」を取材に行っていたからだ。帰途、虎ノ門を通って帰ろうと経済産業省の近くを通りかかったとき、「玄ちゃんねる、見てますよ」と母子連れに声をかけられた。31歳の男性とその母親は「さっき、すぐそこで立花さんが襲われた」と言うではないか。僕は彼が約束通り、来なかったじゃないか、と少し憤慨していたのだが、抗議の現場から少し離れたところに街宣車を止めていたから、僕が気づかなかっただけだった。「耳の辺りが血まみれで、耳が取れかかっていた」と言う。しかも凶器はナタのようだという。
「立花くん、命に別状なかったんですかっ」勢い込んで訊くと、出血は酷かったが、本人は意識があり、何と受傷した後にマイクを握ったのだという。ひとまずホッとしたが、かなりの重傷のようだ。2人に礼を言って向かうと、すぐに黄色の見慣れたN国党の街宣車が見えてきた。僕と彼は同年齢で、しかも彼とは、小池百合子・東京都知事が初当選した2016(平成28)年以来の付き合いだ。上司の石橋文登さん(現・政治評論家、千葉工業大特別教授)が「今回の東京都知事選は小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎が3強や。そんなもん、どうせ社会部の都庁担当が取材するやろ。お前、泡沫候補をやれ(取材しろ)。誰も聞いとらんのに、延々と演説する写真を撮ってやなあ」と酒席でさも愉快そうに話すので、確かにそれはシュールだし、面白いな、と思い、自分がそれを引き受けた。
そのときの「泡沫」の1人が立花さんで、彼は千葉県船橋市のマンション1階に僕を招じた。中に若い奇麗な女性がいて、聞けば彼女だ、というではないか。当時、僕も彼も49歳。たまげた。相手の美人女性は20歳代前半だった。飲み屋の店員だったのを見初めてナンパしたそうだ。この人のバイタリティは当時から常人とは異なっていた。
宮西詩音という30歳の容疑者は「竹内県議を死に追いやったとテレビが報道しているので、そんな奴は許せないと思ってやった」と供述しているという。つまりテレビのネガティブキャンペーン(竹内県議を自死に追いやったのは、立花孝志氏だ、という)が宮西容疑者を犯行に駆り立てた、といえる。ところがTBSは翌15日、立花氏が竹内県議を追いつめたという趣旨の報道をまたしてもやっていた。ここまでくると、立花憎しの前には放送法第4条も公職選挙法もクソくらえ、という感じだ。